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マドラスが創業100周年を迎え「ムゼオ・デ・マドラス」をオープン 岩田達七社長らが登壇

Mar 26, 2021.高村 学Tokyo, JP
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マドラスの岩田達七社長(左)と岩田栄七会長(右) PHOTO:SEVENTIE TWO

マドラスは3月26日、愛知県のマドラス本社工場内に過去のアーカイブを展示したミュージアム「ムゼオ・デ・マドラス(Museo de madras)」をオープンし、同日開催した発表会に岩田栄七会長や岩田達七社長らが登壇した。マドラスは5月18日に創業100周年を迎えるが、その100周年事業の一環だ。「ムゼオ・デ・マドラス」は、マドラスのこれまでの歴史を展示するヒストリーゾーンと、100年にわたり継承されてきた職人技を展示するクラフトマンシップゾーン、そしてマドラスの「今」を伝えるショップゾーンの3つのゾーンで構成されている。靴作りの実際の現場である本社工場を見学することも可能で、同日から受付を開始した。

マドラスは、1873年に初代の岩田武七が皮革製品などを販売する屋号「中島屋岩田武七」を開業したのが始まりだ。その後、1921年に二代目の岩田武七が「これからは草履ではなく靴の時代が来る」と考え、マドラスの前身となる亜細亜製靴を創業し、紳士靴の生産を開始した。1938年にはドイツやイギリスなどから最新式の製靴機械を輸入し、マッケイ式の靴作りに取り組むなど、マドラスの礎を築いた。

70年代に入るとテレビCMを積極的に展開し、ブランド認知を一気に広げていった。『愛の奇跡』のヒット曲で知られる音楽デュオの「ヒデとロザンナ」を起用し、マドラス初となるテレビCMを1976年に放送した。1990年にはディフュージョンラインの「モデーロ(MODELLO)」のイメージキャラクターにチャーリー・シーンを起用して、テレビCMを放送した。

発表会に登壇したマドラスの岩田達七社長は、「前ばかり向いている人間なので、過去を振り返ることは苦手だが、100周年を迎えるにあたり真剣に過去の歴史と向き合った。祖父の武七は、第一次世界大戦後に靴事業を起こしたが、ようやく戦争も終わり、希望に燃えていたのではないだろうか。私は2010年に新たな経営理念を作ったが、『価値のある商品を通じて生活を豊かにする』という思いは、歴史も時代も異なるが祖父の時代と同じだということに気付かされた。5月18日に100周年を迎えるが、これを機に本物の履き心地を目指して精進していく」と、100周年を迎えるにあたっての思いを語った。

今回、マドラスは創業100年を記念したモデルを100足限定で発売する。メンズ、レディスそれぞれ1型で、究極の仕上げと履き心地を追求したモデルだ。3月よりマドラス直営店舗で発売を開始する。メンズは84,700円、レディスは77,000円だ(ともに税込)。さらに、発表会では2019年からスタートしたミズノとのコラボレーションの第3弾を発表した。新しいモデルは、アッパーに空気孔を持たせたシューズで、靴内に空気の流れが発生する機能を採用している。ここ数年、都市部のヒートアイランド化が問題となっているが、厳しい環境で働くビジネスマンの足元に快適性をもたらすことを目指す。

マドラスはこれから先の100年に向けて、受け継いできた靴作りのクラフトマンシップをさらに進化させていく。今回オープンした「ムゼオ・デ・マドラス」には、そういった思いや決意が込められているのだ。

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