
ウェディング事業を主軸とするテイクアンドギヴ・ニーズは5月18日、ホテル事業についての事業発表会を開催した。同社は、チェーン型のホテルであっても店舗ごとにコンセプトやデザインなどが異なるブティックホテルを展開していく。
この背景として「ラグジュアリーの多様化」があるというが、高価格であればラグジュアリーだという以前の認識とは異なり、ライフスタイルや価値観に合わせたラグジュアリーの形が、低価格から高価格まで幅広く存在するようになったのだ。伝統や格式を求める「トラディショナルラグジュアリー」、コスパを求めて当たり障りのない選択をする「ノームラグジュアリー」、トレンドに敏感でフットワークが軽い「エッジーラグジュアリー」、概念や通説にとらわれず振り切った刺激を求める「ディスラプティブラグジュアリー」の4つの層に分けたとき、同社がポジショニングするのは「エッジーラグジュアリー」と「ディスラプティブラグジュアリー」。すでに展開している「TRUNK(HOTEL)」は自己実現力が高い富裕層をターゲットにした「ディスラプティブラグジュアリー」のホテル、今後新規展開していく「EVOL HOTEL」はトレンドの最先端にいる富裕層をターゲットにした「エッジーラグジュアリー」のホテルだ。
具体的には、2023年夏に「TRUNK(HOTEL) YOYOYGI PARK」を、2027年に「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA」と「EVOL HOTEL KOBE」をオープン予定。「TRUNK(HOTEL) YOYOYGI PARK」には代々木公園を一望できるルーフトッププールを設け、都会から抜け出したような気分にさせてくれる。「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA」は「東京カオス」をコンセプトにしている。駅直結でスクランブル交差点からいちばん近いホテルという立地ながら、地下にはスパ、屋上にはプールを設けリラックスできる、まさに「カオス」なホテル。「EVOL HOTEL KOBE」は神戸市との共同再開発で展開する。こちらも神戸を一望できるルーフトッププールが特徴だ。
また、同社のホテル事業戦略として、ファンドとパートナーシップを結び、運営受託を中心にM&Aにも取り組むMC契約の締結、ブティックホテル市場の拡大に欠かせないクリエイティブへの投資、地域の課題や社会問題を多様な人々との共創で解決し、経済的価値を創造する「CSV(Creating Shared Value)」への積極的な取り組みが挙げられる。「CSV」に関しては、LGBTQ+支援や知的障がい者支援、環境へ配慮したロス削減活動など様々だ。
同社はホテル事業における2030年度の目標として、売上高640億、展開店舗27店舗を掲げ、日本のブティックホテル市場の拡大を先導する、ホテル業界のリーディングカンパニーを目指していく。