先日、オークションハウス「サザビーズ(Sotheby’s)」で、「シュプリーム(Supreme)」のスケートボードのコレクションが80万ドル(約8780万円*)で落札された。これらのコレクションはブランドがこの20年の間に発売した全モデル248点が揃っており、現存する唯一のフルコレクションだ。このコレクションには、2000年に「シュプリーム」が「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のロゴ柄を使用したモデルも含まれている。このモデルは「ルイ・ヴィトン」から許可を得ずに発売したため、発売からわずか2週間で販売中止になった。その後、2017年秋冬に「シュプリーム」と「ルイ・ヴィトン」が正式にコラボして発売した「Boite」シリーズの限定スケートボードケースとデッキも、今回のコレクションに含まれている。当時、この2つのブランドのコラボはファッション業界で大きな話題になった。さらに、コレクションにはダミアン・ハースト(Damien Hirst)やカウズ(KAWS)、マリリン・ミンター(Marilyn Minter)などアーティストとのコラボレーションモデルも全て含まれている。
1月26日にこのコレクションを購入したのは、中国で最も有名なコレクターの息子で、バンクーバー出身のカルソン・カク(Carson Guo)だ。「サザビーズ」は、このコレクションの事前評価額を80万〜120万ドル(約8780万〜1億3171万円*)と予測。スニーカーやストリートブランドの売買サイト「ストック・エックス(Stock X)」は、200万ドル(約2億1952万円*)と推定していた。オークションへの出品は、絵画、アート、ジュエリーが主流で、スケートボードのコレクションが出品されるのは非常に珍しい。ただ、今はアート、ファッション、ストリートカルチャーの境目は曖昧になってきており、クリエイティビティが必要になる産業間のコラボレーションはどんどん進化している。ストリートファッション関連のコレクションは、オークション領域でこれからどんどん熱くなっていくのだろうか。
*1ドル=109.76円換算(2月6日時点)