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「バリー」と豊田貿易の提携はタダの弱者連合か!?

Aug 13, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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既報(8月9日)しているが、高級ブランドとして有名な「バリー(BALLY)」は、豊田貿易と契約し2022年春から新規出店の店舗や新規卸売についての業務契約を結んだ。既存のブランド営業は、バリー・ジャパンが従来通り行う。

「バリー」といえば、スイス・シューネンヴェルトで1851年に創業。祖業は弾性リボンだが、その後靴の高級ブランドとして特に1980~90年代に急成長してヨーロッパの高級ブランドのひとつに数えられるようになっている。

いわゆるスイス発のラグジュアリーブランドと言ってもいいのだが、今回を含め日本での動きを見る限り、どうもその資格には欠けていると言わざるを得ない。

日本で業務提携をするのは豊田貿易との今回が初めてではない。1990年代には、バリー・ジャパン(1973年設立)に伊藤忠商事が出資して、日本戦略を共同で推進するというようなこともあった(後に資本業務提携解消)。要するに自前できちんと投資をしてそのマーケットに食い込んでいくという強烈な意志に不足している。何か効率よく儲けられるならそれが一番と考えているフシがある。これでは、とてもラグジュアリーのトップグループを走るブランドとは言えない。

ラグジュアリーブランドでも、ファッション&レザーグッズ分野では、いわゆるスーパーラグジュアリーと呼ばれる「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「シャネル(CHANEL)」「グッチ(GUCCI)」「エルメス(HERMES)」のビッグ4は別格にしても、そういうラグジュアリーブランドの資格があったのに、そのグループから脱落するブランドがコロナ禍のような厳しい環境では出てくる。「ラグジュアリーブランドになりきれなかったブランド」とか「なんちゃってラグジュアリーブランド」という存在である。

厳しく言えば「バリー」のそのひとつになりつつあると言ってもいいかもしれない。2016年3月オープンの東急プラザ銀座の1階に巨大なフラッグシップショップを構えて日本の拠点にしているがいまひとつ賑わいはなく、「大丈夫かな?」と思わせるような戦略が続いている。

長引く円安ユーロ高の為替レートで日本のインポーターを取り巻く環境は厳しさを増している。豊田貿易が今回、「バリー」の日本での新規店&新規卸業務を引き受けたのは、分からないでもない。しかし、「ラグジュアリーブランドになりきれなかったブランド」のビジネスは、高価格であるだけに簡単ではない。「バリー」というブランドの知名度も日本では知るひとぞ知る程度のものである。素晴らしいクオリティを持ったシューズブランドだが、近年この高級靴ゾーンの競争はメンズ・ウィメンズともに激化しており、今後は予断は許さないものがある。 

豊田貿易と「バリー」のタッグがどんな成果を生み出すのか不安半ばで注目している。

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