「グッチ(GUCCI)」は、クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)のビジョンに基づくオンラインコンセプトショップ、「ヴォールト(VAULT)」をオープンさせた。ライブラリー、ラボラトリー、ミーティングプレイスなど様々な機能を備えた同ショップは、定期的にアーカイブアイテムを紹介し、数量限定で販売する。
ヴォールトのバーチャルシェルフには、ミケーレとブランド専任のアーキビストが厳選した一点もののヴィンテージアイテムやセカンドハンドのアイテムがラインアップされる。すべてのヴィンテージアイテムにはエディションナンバーが付けられ、それぞれ独自の「メイド トゥ メジャー」パッケージで提供される。
1990年代の多様なアプローチを備えたゴージャスなコンセプトショップから着想を得たヴォールトは、世界中の新進気鋭デザイナーの作品の発表・販売スペースとしても活用され、ヴォールト限定アイテムも展開される。現在フィーチャーされているのは、「アル ワリア(Ahluwalia)」「ベッド オン ウォーター バイ シャネル・キャンベル(Shanel Campbell)」「ステファン・クック(Stefan Cooke)」「コルミオ(Cormio)」「シャルル・ドゥ・ヴィルモラン(Charles de Vilmorin)」「ジョーダンルカ(JORDANLUCA)」「ユェチ・チ(YUEQI QI)」「レイヴ・レビュー(Rave Review)」「ギー・ローザ(Gui Rosa)」「ビアンカ・サンダース(Bianca Saunders)」「コリーナ・ ストラーダ(Collina Strada)」「ボラミー・ヴィギエ(Boramy Viguier)」「ルイ(Rui Zhou)」の13ブランド。このセレクションは、2020年11月に「グッチ」が開催したファッションと映画の革新的なデジタルフェスティバル「グッチフェス(Gucci Fest)」で、若手デザイナーたちのコレクションをフィーチャーしたショートムービーをオンライン上で発表したという実験に続くもので、ブランドの壁を越えてユニークな対話を巻き起こし、ファッションの慣習を打ち破っていくことを目的としている。
ミケーレはヴォールトに関して以下のようにコメントしている。「私にとって、ショッピングとはただ品物を買うことではなく、買ったものとのつながりを生み出し、関係を構築することです。グッチが今日に至るまで育んできたのは、正にその絆です。私はいつも、由来も製造者も時代も異なるもの同士の『あり得ない』はずの会話が絶え間なく聞こえる場所を心の中に描いていました。過去と現在の対話の中にこそ、未来へのインスピレーションを閃かせることができるのですから。 そして『クリエイティブ・ディレクターのいるファッションブランドにも、多様な表現や美学と混ざり合うスペースがあってもよいのではないか?』と考え、最も現代的なメディアであり誰もが行ける場であるウェブ上にそのスペースを設けることにしました。グッチが一見共通点のないキャラクターが集まるプラットフォームだとしたら、ここは実験室、さながらアイデアや奇抜なもの、あり得ない出会いの鉱山です。 つまり、ヴォールトはさまざまな驚きがハイブリッド化して融合しながら、新しいクリエイションに生命を与える場所です。結局のところ、グッチの最大の贈り物は、決して立ち止まらず、決して古くならないということなのですから」。