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細尾が京都「HOSOO GALLERY」で「Ambient Weaving 環境と織物」展を開催

Apr 16, 2021.高村 学Tokyo, JP
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細尾の細尾真孝氏(PHOTO:SEVENTIE TWO)

テキスタイルメゾンの細尾は、京都・烏丸御池の「HOSOO GALLERY」で4月17日から7月18日まで「Ambient Weaving 環境と織物」展を開催する。「HOSOO FLAGSHIP STORE」の2階に併設する「HOSOO GALLERY」は、織物をメディアとして捉え、日本の歴史や文化、未来について発信する展覧会を開催してきた。2019年9月のオープニングでは、「THE STORY OF JAPANESE TEXTILES ー日本の美しい布ー」と題した展覧会が開催され、細尾の12代目である細尾真孝氏が2015年から4年間をかけて日本国内33箇所の染織産地を訪ね歩いて集めた、実物の布や素材、道具など貴重な資料を展示した。

細尾は、2020年から東京大学の筧康明研究室とZOZOテクノロジーズとともに、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせ、機能性と美を両立させる新たなテキスタイルの共同研究開発を行なってきた。今回開催する「Ambient Weaving 環境と織物」展では、これまでの3社による研究成果をいくつかのプロトタイプ作品として発表している。ディレクションは細尾真孝氏、キュレーションは井高久美子氏が手掛けた。

ディレクションを手掛けた細尾真孝氏は、「環境と織物をテーマにしましたが、常に人類は環境と対話するなかで織物を作り上げてきました。環境を身に纏うということは、長い歴史の中で人類がやってきたことです。今回の展示では、最先端のテクノロジーがマテリアルに使われていますが、伝統技法の延長線上に最先端テクノロジーを捉え直すことで環境と織物の新しい姿を示していきたい」と、「Ambient Weaving 環境と織物」展について語っている。

まず、作品「Wave of Warmth」は、特定の温度に達すると変色するように調合されたロイコ染料を紙に塗布し、西陣織でよく用いられる「箔」と同じ要領で裁断された糸を繊維として織り込んでいる。25度以上になると青色に発色し、温度が下がると黒色へと戻っていく。20分ほどの周期で青から黒へ、また黒から青へと波のようにゆっくりと広がっていく。「Drifting Colors」は、水がはられたプールに織物が置かれ、糸の中で染料が移動し変色していく。染めは一度定着すると色を変えることはできないが、物質を分離する技法を応用して変色を可能にした。「Memories of Flow」は、紫外線をあてると硬化するUV硬化材をチューブに入れ、チューブごと緯糸として織り込んだ作品だ。紫外線にあたる前は柔軟性のある織物だが、紫外線に晒すと数秒で硬化し、形が定着する。

すべての作品は細尾の過去のコレクションが使われており、ZOZOテクノロジーズが開発してきた先端素材やデバイスが組み合わされている。機能と表現が両立しており、織物の未来が垣間見れるたエキシビジョンだ。

■「Ambient Weaving 環境と織物」展
会期:2021年4月17日(土)‒ 2021年7月18日(日)
会場:HOSOO GALLERY 京都市中京区柿本町412
電話:075-221-8888
開館時間:10:30 ‒ 18:00((祝日を除く、入場は閉館の15分前まで)
入場料:無料

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