「スノーピーク(Snow Peak)」は11月22日、「シタテル(sitateru)」と共同で制作した宇宙船内服が国際宇宙ステーション(ISS)で搭載可能の認定を受けたと発表した。「スノーピーク」と「シタテル」は、「宇宙と地上双方の暮らしをアップデートする衣服」プロジェクトを企画し、JAXAの「宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策の募集」に応募していた。2月にISSに搭載予定の生活用品候補として選定されると、その後安全性や搭載性などに関する厳正な審査を経て、今回の搭載可能の認定を受けた。
今回「スノーピーク」と「シタテル」は、「究極のノンストレス・ウェア」という名目で宇宙船内服を開発した。宇宙では、重力が地球に比べて小さいために起こるむくみ、狭い空間で生活することからのストレスなど、過酷な環境が広がっている。「究極のノンストレス・ウェア」は、そんな環境下での宇宙飛行士や宇宙旅行者のQOL向上を目指し、着心地の良い無縫製編製や天然素材が採用された。大部分のパーツで採用された無縫製編成は、島精機製作所が独自に開発したホールガーメントだ。「ホールガーメント」で再現できないパーツは、一部縫製を入れることで、着心地と着用した時の不便さを最小限に抑えた。素材は、ニッケファブリックが開発した「アクシオ(AXIO)」というウールポリエステル素材の糸をベースに作成した。「アクシオ」は、蒸れにくく臭いにくいというウールの特性を生かしつつ、優れたストレッチやソフトな肌触り、そして毛玉ができにくく丈夫で長持ちすることが考慮されて開発された素材だ。これらを採用することで、消臭・抗菌機能を持ちつつ、ストレスフリーな宇宙船内服を実現した。また、この宇宙船内服の開発にあたり、ISS船長も務めた宇宙飛行士の若田光一氏も協力。若田光一氏のフィードバックをもとに、無重力によってポケットの中身が出ないように、面テープを引っかかりの少ないタイプに変更するなどの改良が重ねられた。今後は、開発した宇宙船内服の一般販売も予定している。