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「人工クモ糸」のスパイバーがカーライルやクールジャパン機構から344億円を調達

Sep 9, 2021.Tokyo,JP
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人工のクモ糸を製造しているスパイバーは9月8日、グローバルでの量産・販売網の強化に向け344億円を調達したと発表した。調達先は米国の投資会社のカーライル・グループおよび官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)を主な割当先とする第三者割当増資による244億円、三菱UFJモルガン・スタンレー証券をアレンジャーとした事業価値証券化 (Value Securitization)による100億円、総額344億円の資金調達になる。スパイバーは2007年に設立したスタートアップで、創業者の関山和秀と菅原潤一が慶應義塾大学先端生命科学研究所で取り組み始めたクモ糸人工合成の研究成果を活用し、構造タンパク質素材「Brewed Protein™」の開発に成功、実用化している。

ナイロンなどの繊維は石油を原材料に作られており、環境への負荷が大きい。しかし人工クモ糸はタンパク質から作られているため環境に優しく、サステナビリティが重視されている近年注目が集まっている。2020年5月には豊島がスパイパーの第三者割当増資の引き受け及び紡績糸とテキスタイル開発に関する共同研究契約を締結し、ファッションの分野のみならずライフスタイル分野においても人工クモ糸「Brewed Protein™」の用途拡大と普及を加速させていくと発表した。

さらに、既にブランドとのコラボレーションも実現させている。過去には「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」とコラボレーションし、「ザ・ノース・フェイス エスピードット(THE NORTH FACE Sp.)」を発売している。またゴールドウインとも共同で構造タンパク質素材を用いたアウトドアジャケットとしては世界初となる「ムーン・パーカ(MOON PARKA)」を発売するなど、話題を呼んでいる。サステナビリティが重要視される中、さらなる需要の高まりとともに、資金調達で規模の拡大を目指すスパイバーに今後も注目していきたい。

 

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