ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するUSJは9月1日、パーク内で働くクルーの身だしなみ規定であるドレスコードを一部改訂し、運用を開始したことを発表した。またこれに加えて、各種の人事制度を新たに7月1日付で導入したことも発表された。ただし出産支援休職制度のみ、8月1日付で運用開始となっている。
USJは、お互いを尊重し、個人の人種、民族、性別、性的指向、性の同一性や表現、宗教、年齢、婚姻状況、国籍、祖先、妊娠または出産、病状、身体的または精神的障害、または法律で保護されている特性または状態に関わらず、それぞれの従業員の固有の視点や個性を「ノー・リミット!(NO LIMIT!)」に発揮できる職場づくりをコアバリューのひとつに位置付けている。今回の改訂は、この価値観をエンターテイメントの力を通して社会に広げることで、持続的可能な社会づくりの実現を目指す中での一歩となった。
今回行われた身だしなみ規定の改定では、親しみやすさや清潔感のある印象を前提に、男女で規定が統一され、メイクや髪色における規定が一部緩和された。またコアバリューにも含まれる、クルーの宗教や国籍などの背景を尊重するため、ボディピアスやタトゥーは服に隠れる場所に限り認められるように改訂された。また加えて7月1日付で行われた「人事関連規定における結婚・配偶者の定義見直し」では、事実婚や自治体などの同性パートナーシップ証明を受けたものも対象者とした、慶弔見舞金などの授与が可能となった。
今回の改訂においても大きな影響力を持つ「ノー・リミット!」というスローガンは、2020年に開業20周年を迎える2021年に向けて生み出されたもの。2001年に開業したユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、2004年には事実上の経営破綻に追い込まれるなど低迷が続いていたが、その後「ハロウィーン・ホラー・ナイト」や映画『ハリー・ポッター』を題材にしたエリア、人気アニメ『進撃の巨人』とのコラボ企画など、マーケティングに基づいた独自の路線を進み、V字回復を果たした。3月には「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープンし、話題を呼んでいる。