「ペティヨン モンマルトル」は、モンマルトルの丘の上の静かなテラスで過ごす一日をイメージ。赤桃にノンアルコールのグラン・ブラン・スパークリングが加わり、フルーティな味わいに。
小説家がお茶を飲みながらテラスで執筆している様子をイメージした「デザンヴォルト サンジェルマン」は、アーモンドとヘーゼルナッツのプラリネに、コーヒーで風味付けした味わいが特徴だ。
「リュクサンブール エクスキ」は、アイスティーを飲みながらリュクサンブール公園を散歩しているようなイメージ。ライムの酸味と赤いグレープフルーツの味わいが余韻に残る。
ニコラ氏は、チョコレートの楽しみ方について、「ワインと同じように、口に入れた時の味わい、口の中で溶けた時の香り、そして喉を通った後の余韻を味わって欲しい」と語り、「日本人は理知的な印象です。感受性が豊かで、チョコレートを知的なレベルで味わっているようにみえます。我々職人がどういった手仕事をしてこのチョコレートを作り上げたのか、そういったことまで理解し、緻密にチョコレートを味わってくださっていますね」と、日本人のチョコレートに対する情熱について印象を述べた。
今回のバレンタインコレクションは、ニコラ氏の素材へのこだわりも随所に表現されている。「素材との出会いは日々あります。私の頭の中はまるでバーチャル図書館のようで、素材や味のデータが毎日のようにインプットされていく感じです。ラズベリーを使ったチョコレートを作る時は酸味の効いたカカオを選び、スパイスを効かせたい時は辛味の香りのするカカオを選びますが、『パリ ジュテーム』という今回のストーリーに合う素材をこうして私のバーチャル図書館から選りすぐりましたね」。
「フランスでは、バレンタインは男性から奥さんや彼女などパートナーだけに贈るのが一般的です。双方からということもあります。なので、私がもらうのは妻からだけですね」。フランス人らしいウィットのセンスもニコラ氏の魅力のひとつだ。