アウトドアブームが白熱する中、特に注目を浴びているのが自転車だ。このコロナ禍で、密を避けた移動手段になり、サイクリングというレジャーとしても楽しめる上に、運動不足解消にも役立つ一石三鳥なアイテムを買い求める人は多い。実際、2020年度の自転車販売市場(事業者売上高ベース)は2100億円を超えた過去最高記録となっている。更に自転車1台ごとの価格も高額化しており、その背景には機能性や趣味性の高い自転車のニーズが拡大がある。このように趣味としての自転車の人気はとどまるところを知らない。そこで、ママチャリ卒業以来自転車に乗っていないという人にもおすすめのタウンユースできる自転車ブランドを3つ紹介する。
まずはイタリアの「ビアンキ(Bianchi)」。創業は1885年で、130年以上の歴史を持つ世界最古の自転車ブランドだ。「ビアンキ」の大きな特徴はチェレステカラーというグリーンがかったブルーのカラーリング。イタリアのマルゲリータ王妃の瞳の色から作られたという伝説や、毎年職人がミラノの空の色を見て調合するため年によって色味が違うとの逸話もある謎めいた美しい色が伝統的に用いられている。逗子にビーチハウスを出したり、9月上旬には「ユニクロ(UNIQLO)」の「UT」とコラボ予定もあり、クロスバイクに乗らない人からの知名度も高そうだ。アイコニックなイメージカラーとブランド力が強みで、デザイン重視の人におすすめのブランドである。
次にアメリカ・カリフォルニア州に本社を構える「スペシャライズド(SPECIALIZED)」。レース活動に力を入れていてロードバイクのジャンルに強い、本格派のブランドだ。1981年に発売した世界初の量産型マウンテンバイクが大ヒットしたことで自転車文化を変えたと評されており、「スタンプジャンパー」はスミソニアン協会の永久所蔵品となっている。乗り心地やスピード感など、機能性を求める人にぴったりな実力派ブランドである。
最後は「ジャイアント(GIANT)」。台湾発祥で、今や世界一の自転車生産台数を誇るブランドだ。自社生産ラインが確立されており、他社ブランドの製造も手がけている。その圧倒的な生産力に裏付けられたコスパの良さが売りだ。全国の自転車販売店で手軽に買うことができ修理も行ってくれるため、初心者に優しい。また、自転車ブランドにしては珍しく女性向けブランド「リブ(Liv)も経営している。幅広い層に向けて手頃な価格で高品質の自転車を提供している良心的なブランドだ。自転車をこれから始めるにあたり、手軽さを求めている人に合ったブランドと言える。
今回はデザイン、機能性、コスパの3つの観点から分析したおすすめの自転車ブランドを紹介した。これから涼しくなり、自転車日和が続く季節がやってくる。お気に入りの自転車を見つけて少し遠くまで足を伸ばしてみるのもいいだろう。