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これは明らかにドレスコード違反です!!

Nov 14, 2019.橋本雅彦Tokyo, JP
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撮影:Bloomberg

10月22日に行われた即位の礼で、安倍晋三首相夫人の安倍昭恵さんが着用した白のワンピースが「ドレスコード違反」ではないかという騒動が起こった。そのデザイナーの継枝幸枝(つぐえだゆきえ)氏は1986年に第25回ピエールカルダン・ハイファッション賞入選(2年連続)、1990年に東京コレクションに初参加し以後4回発表したという。それ以降は「デザイナーズダイレクトコンセプトシステム」を確立し、完全予約制のオートクチュリエールアトリエサロンを開設し、現在に至っているという。他に百貨店のフィッティングアドバイザーや東京ファッション専門学校などで特別客員教授をしている人物だ。

 安倍昭恵夫人との接点は、継枝氏によれば「10年以上前からのお客様で、友人でもある元衆議院議員の藤野真紀子さんのパーティー」。それ以降継枝氏はファーストレディのお抱えデザイナーになったという(以上『デイリー新潮』)。ドレスコード違反については、「あのドレスの色合いは皇室行事でもお召しになれます。ミニスカートといわれていますが、肘が隠れる程度の丈があるし、そもそもミニスカートがダメという規定はありません」(同)。

 「ドレスコード」という概念は日本ではこの10年前ほどから使われ始めていた。しかし、皇室行事のようなフォーマルな席におけるドレスコードで最も重要なことは、「目立たないこと」なのである。他の招待客に混じって、突出しないこと。よって、このような騒ぎになった時点でこれはもうアウト。騒ぎの原因は、このワンピースの色でも丈でもない。このバランスを崩しまくっている両袖であろう。これ、ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)が1952年に発表したファースト・コレクションの「ベッティーナ・ブラウス」あたりが着想源なのだろうが、それにしても、目立つというよりは完全なミスデザインだ。小柄で顔の大きい昭恵夫人にはとても持ちこたえられるようなデザインではない。夫晋三氏の盟友であるドナルド・トランプ米大統領のメラニア夫人あたりに刺激を受けて、こんな独創的なデザインの服を選んでしまったのだろうか。そういう要求に対して、断固として「NO」を言うのもお抱えデザイナーの仕事だと思うがいかがだろうか。

 また継枝氏には失礼だが、もう少し「常識」のあるメジャーなデザイナーを選べなかったのだろうかとも思う。首相夫人だから、日本人デザイナーということになるのだろうが、森英恵やコシノヒロコや鳥居ユキを始めとした大御所デザイナーよりもう少し今っぽい感覚のデザイナーということになると、確かにピッタリのデザイナーというのはなかなかいないものなのである。

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