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アルペンのTSIホールディングス株取得の狙いは何だ?

Apr 22, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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アルペントーキョー

スポーツ用品販売日本最大手であるアルペン(2021年6月期売上高2332億円)の動きが積極的だ。特に新宿駅東口近くに4月1日オープンした同社の最大旗艦店「アルペントーキョー(Alpen Tokyo)」は同社の社運を賭けた店舗と言える存在。従来はヤマダ電機の「LABI新宿東口店」だったが、子会社の大塚家具の新宿ショールームとの自社競合を避けるために昨年10月4日に閉館していた。カニバリ解消とはいえ、ヤマダ電機の最大店舗の閉店は、「やはりこの場所は商業地には向いていないのでは」の声も上がっていただけに、あえてこの地に最大旗艦店をオープンしたアルペンの勇気ある挑戦を讃える声はある。

今回の「アルペントーキョー」で注目されるのは、アウトドアとゴルフだ。特に周辺の伊勢丹新宿店や小田急百貨店新宿店が最近ゴルフ売り場に異様なほどの注力をする中で、この地区における凄まじい競合激化をうけて、アルペンは秘策を実行した。4月18日にTSIホールディングスの発行済みの株式3.7%に当たる359万7100株を取得したのだ。1株あたり278円でその総額は約10億円。狙いはTSIホールディングスが保有する「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」や「ジャックバニー(Jack Banny!!)」、「ニューバランスゴルフ(New Balance Golf)」「ピン アパレル(PING APPAREL)」などのゴルフブランドを、新宿地区において優先的に取り扱いできるようにするためではないかと見られている。

実際、「アルペントーキョー」6Fの「ゴルフファイブ」にはTSIホールディングスのゴルフブランドの複合ショップ「ザ・ハウス」が出店している。アルペントーキョーでは全10フロアのうち6階と7階がゴルフ関連の売り場に充てられている。ここで百貨店ゴルフ売り場の後塵を拝しては「アルペントーキョー」の成功はない。何としてでも「アルペントーキョー」を成功させようとする同社の執念を感じさせる今回の株取得である。今後も激化する新宿でのゴルフマーケットでの戦いを有利にすすめるために、こうした株取得もあるのではないか。

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