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「カルティエ」がGINZA SIXに銀座3店目を今秋オープン!

Jun 17, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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PHOTO:SEVENTIE TWO

高級宝飾ブランドの「カルティエ(Cartier)」が、今秋「GINZA SIX」2階にブティックをオープンする。以前は「ジミーチュウ(Jimmy Choo)」が入居していた場所だ。「ジミーチュウ」は斜め向かいに移動。銀座はファッション&アパレルにとっては、新宿と並ぶ日本最大のビッグマーケットだが、高級宝飾に関しては断然のナンバーワン市場だ。「カルティエ」は、すでに日本で最初の路面店である銀座並木通り店、銀座三丁目のいわゆるゴールデンクロスと呼ばれる「シャネル(CHANEL)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ブルガリ(BVLGARI)」のブランドビルが立つ交差点の4つ目のブランドビルとして 銀座二丁目店が偉容を誇っている。

そして、今秋にGINZA SIX 2階に新店がオープン。前述の2店はそのまま営業を継続するので、「カルティエ」は、銀座3店体制を敷くことになる。今回のGINZA SIX店は特に並木通り店とは100mも離れていない場所であるから、バッティングの不安がありそうだが、当然のことながら勝算はあるのだろう。考えられることは、並木通り店も銀座二丁目店も顧客飽和の状態になっているのだろう。そろそろ終焉が近づいているコロナを念頭において今後のインバンド消費を捌くにはもうひとつ店が欲しいという結論になったのではないだろうか。

ファッション&レザーグッズのラグジュアリーブランドでは、銀座は「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「グッチ(GUCCI)」が銀座で2店舗体制を敷いているが、「カルティエ」がひと足早く3店舗体制を敷ことになる。

気になるのは「カルティエ」の日本での売り上げだろう。ファッション&レザーグッズでは、「ルイ・ヴィトン」が2000億円、「エルメス(HERMES)」1251億円(2021年12月決算時の1ユーロ=130円換算ベース)、「グッチ」や「シャネル」も1000億円を突破しているのではないかと推測される。「カルティエ」も当然、そのレベルにあるはずだが、2021年6月に公表されたコンパニーフィナンシエール リシュモンの2021年3月決算によれば、売上高131億4400万ユーロ(前年比-7.6%、1兆8401億円、1ユーロ=140円換算)のうち日本は9億2400万ユーロ(前年比-22.4%、約1293億円)とある。これは、「カルティエ」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」などの高級宝飾に「IWC」「ジャガールクルト(Jaeger-LeCoultre)」「ピアジェ(PIAGET)」などのウォッチ部門、「クロエ(Chloé)」などのファッション&レザーグッズ部門の合計である。

最大ブランドの「カルティエ」がこのうちどのくらいを占めているかということになるが、3分の2だとしても約800億円、半分だとしても600億円ということになる。いずれにしてもファッション&レザーグッズの「ルイ・ヴィトン」「グッチ」「エルメス」「シャネル」の4強には及ばない規模のようである。2000年前後には、「ティファニー(Tiffany & Co)」と500億円台でトップ争いをしていたこともあった。

「ティファニー」がLVMH傘下になって、新たな施策を打ち出してくるのではないかと見られている。トップブランドである「カルティエ」も最近には「サカイ(sacai)」の阿部千登勢とのコラボ「TRINITY FOR CHITOSE ABE of sacai」を発表するなど、日本市場を重視した戦略を打ち出している。今回の銀座3店舗戦略もそのひとつとして見ても良いだろう。今秋オープンが楽しみだ。

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