近年、テレビ番組などの影響だけでなく男性アイドルやK-POP人気の影響で、中国で化粧に関心を持つ男性が増えてきている。外見磨きや顔の細かいところまで気を遣うライフスタイルが、中国の新しい世代の中で覚醒してきている。男性メイクアップ・ブロガーが中国のSNSで増え、彼らの眉毛や肌の質感などが中国の男性に大きな影響を与えている。
また、K-POPの影響もかなり大きく、男性アイドルの完璧な美肌が中国の男性の美意識を変えた。最近ではワールドカップの韓国チームのキーパーが、試合中にずっと美肌を保っていたことが話題になった。彼が使用していると噂のBBクリームは、ネットでよく検索されている。
今年6月、中国の大手ECサイトのVIP.comとJD.comが共同で発表したレポートによると、“無性別化消費”の時代が中国に到来してきている。男性の外見磨きの意識が高まることによって、性別に基づいた消費ニーズが薄くなり、商品の無性別化が進んでいるという。また、同レポートによると、中国の男性スキンケア市場が100億人民元に達し、さらに2019年には154億人民元を突破することが予想されている。VIP.comでは、男性ユーザーの96%がファッションと化粧品の両方を購入した経験があり、3年前と比べると顕著に増加している。スキンケアではフェイシャルパックと化粧落とし、メイクアップではBBクリームとリップとアイブロウが人気アイテムである。
ただし、中国の化粧品業界は韓国や日本と比べるとまだ発展途上である。女性の化粧品に対しても、細やかでプロフェッショナルな知識が足りていない。フェイシャルパックブームの到来もただトレンドを追うばかりで、その知識は漠然としたものである。中国の男性は富や成功を最も重視しているが、近い将来美に対しての追求も優先順位が上がってくるのだろう。