LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、「セリーヌ(CELINE)」のアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターのエディ・スリマン(Hedi Slimane)の退任を発表した。「シャネル(CHANEL)のアーティスティック・ディレクターを退任したヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)の後任人事でさまざまな名前が取り沙汰されているが、エディ・スリマンは最有力候補と見られている。エディ本人も4月ごろからすでに「セリーヌ」を退任する意向を示していたようだ。
エディ・スリマンは、2000年から07年まで「ディオール オム(Dior Homme)」でクリエイティブ・ディレクターを務め、その後一度LVMHを離れ、2013年プレスプリングから2016-17秋冬まで「サンローラン(SAINT LAURENT)」のクリエイティブ・ディレクターを務めた。
その後、「セリーヌ」に転身すると、2019年春夏からウィメンズウエアに加えてメンズウエアもスタート、さらに自身初となるオートクチュール、そしてフレグランスまで統括し、絶大な支持のあった前任のフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が去った同メゾンの規模を一気に拡大した。
エディ・スリマンの後任もすでに発表されており、マイケル・ライダー(Michael Rider)が就任する。マイケル・ライダーは、フィービー・ファイロ時代の「セリーヌ」でプレタポルテ部門のデザイン・ディレクターを務めていた。2025年初頭にクリエイティブ・ディレクターに就任する予定で、およそ6年ぶりに「セリーヌ」に復帰する。
また、LVMHは「オフホワイト(Off-White)」のオーナー企業であるオフホワイトLLCの株式を、米国のブルースターアライアンスLLCに売却したと発表した。売却額は非公開。LVMHは2021年7月にオフホワイトLLCの過半数株式を取得しており、創業者でクリエイティブディレクターだったヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)と新規ブランドを立ち上げるなどとしていた。
しかし、株式売却の発表からわずか4カ月後の11月28日に、ヴァージル・アブローが41歳の若さで癌との闘病の末に死去。ヴァージル・アブローは、2018年3月には「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のメゾン初の黒人デザイナーに抜擢されるなど、LVMHとは強いパートナーシップで結ばれていた。