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好調丸井の悩みの種?「渋谷モディ」は入居率50%

Jan 25, 2020.鈴木稔夫Tokyo, JP
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丸井が企業のあり方を大きく変えて、2019年11月期でも5期連続の増益決算が確実視されている。店舗の運営を自社出店型から賃貸型に切り替えを進めたためだ。簡単に言えば、百貨店型からショッピングセンター(デベロッパー)型にシフトしたことで、安定的な経営が可能になった。もちろんそうした転換においては、売り上げが減少し続けるという事態を伴うわけで、キャッシュフローの面で問題がないわけではないが、一度軌道に乗ってしまえば、売り上げに一喜一憂せずに経営戦略を構築することができる。日本の百貨店の現在の苦境も、こうした自社出店型(掛率商売)から賃貸型への転換の遅れが招いたと言えるだろう。

それはともかく、現在の丸井の好調を支えているのは、エポスカード(従来のマルイカード)を使ったさまざまな金融サービスだ。内訳は割賦手数料、加盟店手数料、消費者ローン利息収入、サービス収入などがある。サービス収入には賃貸住宅を借りる際の連帯保証人代行サービス料などがある。さらに最近は「EPOS Pay」サービスを開始するなど賃貸業&金融サービス(フィンテック)業の新業態としての顔を前面に出している。

ところが、その好調丸井に今困った問題が浮上している。同社の渋谷の顔とも言うべき「渋谷モディ」において、テナントの撤退が相次いでおり、2階フロアはほぼ空きスペース化してしまっているのだ。「渋谷モディ」は2015年11月に賃貸型のショッピングセンター化を進める丸井の渋谷の拠点としてオープンしていた。現在31店舗(ポップアップショップ含む)が営業中だが、これはオープン当初のほぼ半分だ。丸井では「契約満了に伴う入れ替え」であり「大型店舗を誘致するなど戦略的な入れ替えで詳細はまだコメントできない」としている。この言葉を鵜呑みにしていいのかどうか?

百年に一度と言われる「渋谷の大改革」が現在渋谷駅前を中心に進行中であるが、渋谷駅からスクランブル交差点を渡ると、その「百年に一度の大改革」の勢いも急になくなってしまって、西武渋谷A、B館、渋谷モディなどは「取り残された谷間」の観が拭えないのである。丸井の言う大型店舗はいかなるものなのか?現在の劣勢を挽回できるだけの隠し玉があるのか?大いに今後を注視したい。

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