
カジュアル衣料を展開するライトオンは10月8日、2025年8月期の通期決算を発表した。売上高は281億3000万円で前年同期比27.5%減、営業損益は4億5400万円の赤字(前年は50億円の赤字)、当期純損益は4億4900万円の赤字(前年は121億4200万円の赤字)となった。大幅な売上減となったものの、赤字幅は大幅に縮小した。
売上減の背景には、上期の販売不振がある。主力商品の多くが前期発注分で構成され、訴求力の弱い商品が多かったことから、来店客数が減少。これにより販売は苦戦を強いられた。しかし下期からは、商品構成の抜本的な見直しを実施。過度な値引きを抑え、適正価格での販売を徹底した結果、客数減少のペースは鈍化し、改善の兆しが見えた。特に新しい品揃えと価格帯の再設計が奏功し、期初計画の281億円を上回る水準で期末を迎えた。
また、第4四半期(2025年6〜8月)には、特別利益として合計1億7300万円を計上した。内訳は、事業構造改革の一環で進めてきた店舗閉鎖に伴う引当金戻入額3800万円、退職給付制度終了による1億3400万円。これにより、第3四半期までの特別利益とあわせ、2025年8月期の特別利益は累計7億6100万円となった。一方、特別損失は、共用資産を含む固定資産の減損損失1300万円や水害による災害損失1800万円などで合計4200万円。第3四半期までの累計では3億3300万円に上った。
経営体制にも変化があった。ライトオンは2025年1月、ワールドが日本政策投資銀行と共同で出資するW&DインベストメントデザインによるTOB(株式公開買い付け)が成立し、ワールドが親会社に就任。今後は、構造改革を進めつつ収益力のさらなる強化を目指す。
来期、2026年8月期の通期業績予想は、売上高208億円(前年比26.1%減)、営業利益2億4000万円、当期純利益3000万円を見込む。売上は減少傾向が続くものの、営業利益は黒字化を予想しており、収益構造の改善が進むか注目される。