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7月株価上昇率第1位は「スリーコインズ」が絶好調のパルグループHD

Aug 3, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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パルグループ東京本社(写真:セブツー)

ウェブメディア「セブツー」では、毎月ファッション&アパレル関連株83銘柄の株価上昇率ランキングを発表している。今月は7月1日の始値と7月29日の終値を比較した。

この間のニューヨークダウ平均は7月1日始値2万6460ドル71セントからスタートして7月29日は2万789ドル64セントで終了し5.0%の上昇だった。FOMC会合が7月26、27日に予定されて、一気に1.0%の利上げがあるのではと予想され、強気と弱気の入り混じる相場展開になると思われたが、1.0%利上げでも相場に影響はなしとする強気派が買い進めた。結局利上げ幅は前回と同じ0.75%だった。当然株価は上昇のスピードを早めている。

NYダウ平均に追随する日経平均株価も同様の動きで、7月1日始値2万6460円71銭から7月29日終値2万7801円64銭まで5.0%の上昇だった。7月からオミクロン変異株BA.5が猛威を奮って、全国で10万〜20万人の新規感染者が連日続いて、日本は絶対数でも世界一の感染国になり、自宅療養者が60万人という事態まで悪化している。一方、濃厚接触者の待機期間を最短3日間にするなど新型コロナウイルスを伝染力の強いインフルエンザとして感染法上の第5類相当へ移行しようという政府与党内の思惑が強く感じられる対応が多くなっているのも注目だ。注意したいのは、7月の爆発的感染者増は株価には全く反映されていないことだ。

さて、ファッション&アパレル関連株83銘柄のこの間の単純合計を比較すると、日経平均の5.0%の上昇を上回る6.25%の上昇だった。値上がりが42銘柄で値下がりが41銘柄だった。

株価上昇率(第1位 +26.6%)はパルグループホールディングスだった。7月19日の「セブツー」で既報したが、7月12日に発表された同社の第1四半期(3月1日〜5月31日)決算が驚異的なもの(売上高は収益認識に関する合計基準を採用しているため単純比較はできないが、312億円→391億8300万円、営業利益前年比+146.6%の44億2300万円)であったことから、翌7月13日の取引開始から、一気に株価は2000円台に乗り上げ、7月15日には2200円まで上昇して現在もこの2200円台をキープしている。同社の業績を一変させたのは雑貨事業の「スリーコインズ」だ。この総売上高の3分の1を占める「スリーコインズ」などの雑貨事業が衣料事業にも相乗効果を与えている。通期業績も大きく上方修正されている。

上昇率第2位(+19.2%)はワークマン。「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」に次ぐ、ワークマン旋風の第3弾は「ワークマンシューズ」だ。第1号店は4月1日に「大阪なんばCITY店」、第2号店が6月16日オープンの「池袋サンシャインシティアルパ店」だ。第3号店も決まっていて今年10月の吉祥寺店になる。また地方のショッピングセンターでの路面店が5店舗決まっており、2023年3月末には全国で8店舗になる予定だ。なおすべて「#ワークマン女子」との同時展開になる。

実はこの「ワークマンシューズ」の靴専門店舗オープン以前からワークマンの製品カテゴリーの中で一番伸びているのは女性用機能性ウェアで、僅差で一般客向け機能性シューズだった。一般靴の売り上げは年間100億円を突破している(ちなみに一般靴以外の作業靴売上高は150億円)。この「ワークマンシューズ」は、10年で200店舗、600億円を目指すという。その時には、ABCマート、チヨダ、ジーフットの靴専業小売3強に次ぐ業界ナンバー4になっているとワークマンの鼻息は荒い。株価は7月1日始値5350円、7月29日終値6380円と1カ月間で1000円上昇。「ワークマンシューズ」の売れ行きがかなり良いようなのではないかと思わせる動き。2019年12月には株価1万円をマークしているワークマンだけに、この「ワークマンシューズ」でまた再びの1万円台があってもおかしくないのだ。

上昇率第3位(+17.8%)はZOZO。絶好調ぶりを示した第1四半期決算(4月1日〜6月30日)は7月29日の株式市場終了後の発表だったので、今回のランキング対象外なのだが、すでにこの好決算を「予想」していた投資家が前もって株を買っていたようだ。ちなみにその第1四半期決算は:
・売上高:425億9000万円(前年比+9.6%)
・営業利益:143億1200万円(同+13.7%)
・経常利益:142億9600万円(同+14.1%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:99億6000万円(同+14.1%)

ただし、第1四半期は好調だったが、通期決算の上方修正は行わなかった。なお、ZOZO株価の史上最高値は2018年7月20日の4700円があるがその更新も狙えるか。

騰落率の最下位(-15.9%)はセレクトショップ業界最大手のユナイテッドアローズ。4月以降の全社売り上げが、4月前年比+19.1%、5月同+34.8%、6月同+3.5%と先細りになっているのが嫌気されたのか。ちなみに新規感染者が急拡大した7月は同+3.0%とさらに前年比を下げている。どうも思うように本格的な回復基調には乗れないようである。投資家の見る目は厳しいということか。

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