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相次ぐ「シーイン」訴訟 「エックスガール」運営会社が提訴 これまでに「ドクターマーチン」や「ユニクロ」も提訴

NEWDec 3, 2025.セブツー編集部Tokyo, JP
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撮影:セブツー

ストリートファッションブランドを手掛けるビーズインターナショナルは12月2日、「シーイン(SHEIN)」の運営企業であるロードゲットビジネス(Roadget Business Pte. Ltd.)やSHEIN JAPANなど4社を、商標権を侵害する行為があったとして東京地方裁判所に提訴したと発表した。訴えは2025年11月28日付で起こされ、商標権侵害に基づく差止めおよび損害賠償を求めている。

同社は「エクストララージ(XLARGE)」「エックスガール(X-girl)」「ミルクフェド(MILKFED.)」「サイラス(SILAS)」といった人気ブランドを展開。これらの商標が「シーイン」の商品において不正に利用された可能性が高いとして訴訟に踏み切った。具体的な侵害の内容については明らかにしていないものの、ブランドの知的財産を脅かす深刻な問題と捉えているようだ。

「シーイン」は、超低価格と圧倒的な商品投入量を武器に世界的に急成長してきた。毎日6000点以上の新商品を投入するとされ、SNSを中心に若年層の支持を獲得している。一方で、同社は急拡大の裏側で数々の問題を抱えており、知的財産権の侵害疑惑はこれまでも複数の企業から指摘されている。

2021年には、「ドクターマーチン(Dr. Martens)」の親会社であるエアウエア インターナショナルが、シューズデザインをコピーされた疑いで「シーイン」を提訴。2023年にはファストファッション大手「H&M」が、著作権および商標権侵害の差し止めと損害賠償を求めて訴訟を起こしている。さらに2024年には、「ユニクロ(UNIQLO)」の人気商品であるラウンドミニショルダーバッグに酷似した製品を模倣・販売したとして、運営会社が「シーイン」を相手取り法的措置を取った。

こうした訴訟の連鎖は、「シーイン」が世界中のブランドから権利侵害の常習として注目されている現状を浮き彫りにしている。

問題は知的財産だけにとどまらない。品質や安全性の面でも懸念が指摘されており、カナダ保健省は「シーイン」の子ども用ジャケットを調査した際、安全基準の20倍にあたる鉛が検出されたとして注意喚起を行った。また新疆ウイグル自治区での強制労働問題について国際機関や欧米政府から批判を浴びるなど、サプライチェーンの透明性を巡る問題も絶えない。

今回のビーズインターナショナルの提訴は、こうした「シーイン」をめぐる一連の問題が日本企業にも拡大していることを示す象徴的な事例となった。ブランド価値の維持が重要なアパレル業界において、知的財産の保護はますます大きなテーマとなりそうだ。

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