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Global|ショッキングなコンデナストの経営危機!

Jun 28, 2019.橋本雅彦Tokyo, JP
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コンデナスト公式HP

コンデナスト(Conde Nast)社が「Wマガジン(W magazine)」をフューチャーメディア・グループ(Future Media Group)に売却したことは「SEVENTIE TWO」で既報したが、その際に昨年8月の「ザ・ニューヨーク・タイムズ (The New York Times)」の記事を引用し、コンデナスト社が経営危機にあり、2017年には1億2000万ドル(約129億円*)の赤字を計上していると紹介したが、これはかなりショッキングな事実だ。レイオフも行われさらに14ある雑誌のうち、「ブライズ(Brides)」「ゴルフ・ダイジェスト(Golf Digest)」「Wマガジン」が売却対象の3誌として上げられ、売却対象外は「ヴォーグ(VOGUE)」「ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)」「ザ・ニューヨーカー(The New Yorker)」の3誌だけだという。

コンデナスト社の年商など詳細な経営数字は未上場会社でもあり明らかではないが2017年に計上した1億2000万ドルの赤字は、「経営危機」と言っていい危険水準である。

コンデナストがウォルト・ディズニー(Walt Disney)からフェアチャイルド・パブリケーションズ(Fairchild Publications)を買収したのは1999年。買収額は約4億ドル(約430億円*)だった。その真の目的は「VOGUE」のライバルとして着々と読者を獲得していた「Wマガジン」である。ライバル誌を潰す最良の方法は、ライバル誌を買って傘下に収めて、都合のいいようにコントロールすることだが、それを行うだけの余裕が当時のコンデナストにはあった。余談だが、2006年公開のアメリカ映画「プラダを着た悪魔」には、現編集長のアナ・ウィンター(Anna Wintour)と思しきミランダ・プリーストリー編集長(メリル・ストリープ)が登場するが、リーマン・ショック(2008年)前のこのあたりがコンデナストの全盛期だったのではないかと思う。コンデナストは2014年に、「Wマガジン」を除く「WWD」などの業界紙をペンスキー・メディア(Penske Media)社に売却していた。

コンデナスト帝国がいつ復権を遂げるのか、業界が固唾をのんで見守っているが、赤字は続くだろうから売却雑誌は今後も出そうである。また69歳のアナ・ウィンターの引退もカウントダウンのような気がしているが。

*1ドル=107.56円換算(6月28日時点)

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