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ステラ・マッカートニーのLVMHへの移籍が「サステナブル」の重要性を再認識させた

Jul 26, 2019.橋本雅彦Tokyo, JP
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写真中央がステラ・マッカートニー

デザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)がケリング(KERING)からLVMHモエ ヘネシー・ルイヴィトン(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton、以下LVMH)グループに移籍した。

ステラは、サステナブル・デザイナーとして先ず名前が上がる有名デザイナーであり、LVMHグループとしても、自らのグループがサステナブルであることを分かりやすくマスコミや消費者に訴求するには最も手っ取り早い方法とも言える。それだけ「サステナブル」がラグジュアリー・ブランド業界にとっても、重要なテーマであることを再認識させるに十分なデザイナー引き抜きと言える。

昨年3月に自社の50%の株式をケリングから買い戻して、100%の自社株保有者になっていたステラのもとには、いろいろなオファーがあったらしいが、LVMHグループのオファーが最も魅力的だったという。LVMHグループはステラの少数株式を保有し、「持続可能で倫理的な姿勢を維持しながら、ステラのビジネスの世界的な発展を加速する」(LVMHグループ)としている。ステラはLVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)CEOと役員会の特別顧問としてグループのサステナビリティを推進していく。

一方で、今回のステラの移籍はライバル関係にあるケリングとLVMHのデザイナー引き抜きの歴史を思い出させる。

まず、LVMH傘下の「ジバンシィ(GIVENCHY)」のデザイナーだったアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQUEEN)が2000年12月、自社株の51%をケリング(当時はグッチグループと称していた)に売却。これが原因で、LVMHはマックイーンを2001年10月の契約満了をもって更迭した。この意趣返しのような形で起こったのが、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデザイナーだったニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)の2013年のスカウト(後任はアレキサンダー・ワンだった)だ。グループの屋台骨とも言うべき「ルイ・ヴィトン」のアーティスティック・ディレクターとしてスカウトした。前任はマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)だった。さらに今回のステラ・マッカートニーの引き抜きとなったわけだ。以前ほど、ラグジュアリー・ブランドのアーティスティック・デザイナーに誰がなるのかというのは大きな話題ではなくなりつつあるが、それでも今回のステラの移籍は大きな話題ではあった。

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