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ユニバーサルデザインを採用したMA-1が誕生 TSIホールディングス、オリィ研究所、武藤将胤氏が挑む「MOVE WEAR」

NEWJun 9, 2026.セブツー編集部Tokyo, JP
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左から「ReSew」縫製者の本多祐介氏、「NAVYNAVY」デザイナーの藤田裕美氏、武藤将胤氏、吉藤オリィ氏、下地毅氏(撮影:SEVENTIE TWO)

TSIホールディングス(以下、TSI HD)は6月8日、ユニバーサルデザインの衣装プロジェクト「MOVE WEAR」の発表会を開催した。発表会には、TSI HDの下地毅代表取締役社長、オリィ研究所代表でロボット開発者の吉藤オリィ氏、そしてALS患者で一般社団法人WITH ALS代表の武藤将胤氏が登壇した。

今回のプロジェクトは、6月20日に東京・六本木のEXシアターで開催されるALS啓発音楽フェス「MOVE FES. 2026」に向けて始動。ALSと向き合いながら活動を続ける武藤氏のために特別な衣装を開発した。コンセプトは「X-CONNECT(クロスコネクト)」。これまで歩んできた軌跡と未来への挑戦、人と人、そしてテクノロジーが交差しながらつながる姿を表現している。

武藤将胤氏が代表を務める一般社団法人WITH ALSによると、ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは体を動かす運動神経が老化し、徐々に動かなくなっていく難病で、日本には約1万人の患者がいるという。進行が速く、現時点では治癒のための有効な治療法は確立されておらず、難病指定されている。武藤将胤氏は2013年にALSを発症し、2014年に宣告を受けたという。

今回披露されたのは、吉藤氏のチームが開発したロボットアームに装着するナイロンタフタパーカーと、ユニバーサルデザインを採用したナイロンツイルのMA-1ベスト。そして武藤氏自身が視線入力でデザインしたオリジナルワッペンだ。MA-1ベストとワッペンは6月20日から受注販売を開始する。

武藤氏にとって、ファッションは特別な存在だという。「中学生の頃からファッションは自分を表現するための大切なコミュニケーションツールだった。身体が思うように動かなくなった今でも、自分らしさを表現する大事なパーツのひとつです」と語る。

吉藤氏は、「どうすれば人類の孤独に向き合うことができるのか、といったことをテーマにテクノロジーを開発してきた。ALSは身体の動きだけでなく、握手やハグ、ガッツポーズといった表現まで奪ってしまう。このプロジェクトは失われた動きを取り戻し、人間の尊厳に挑戦する取り組みだ」と、「MOVE WEAR」の意義について語る。

また、TSI HDの下地毅氏は、「TSIホールディングスは、事業部の枠を超えて社会課題に取り組んでいる。MOVE WEARは社会性も帯びてきた。事業化へのハードルは高いが、一歩ずつ活動を広げていきたい」とコメントした。

今回発表したナイロンタフタパーカーにはLEDが組み込まれ、人とのつながりを光で表現。ロボットアームに装着できる仕様に加え、ポンチョ型デザインを採用し、バッテリーの熱を逃がしやすいメッシュ素材や着脱しやすいフードなど、実用面にも配慮した。

MA-1ベストには、本格的なフライトジャケットと同じ素材を採用。裏地にはMA-1の象徴でもある赤色を使用しながら、車椅子利用者でも着脱しやすい設計を取り入れた。背面には保冷剤やカイロを収納できるポケットを備え、ライブや日常生活での快適性も追求している。

また、武藤氏が視線入力で制作したワッペンは、本人の価値観やアイデンティティを反映したデザインとなっている。マグネット式で自由に付け替えることができ、自分らしいカスタマイズも楽しめる。

6月20日の「MOVE FES. 2026」では、武藤氏がEYE VDJ MASA名義で出演し、「MOVE WEAR」を着用してライブパフォーマンスを披露する予定だ。ファッションは、ただ身体を覆うためのものではない。自分らしさを表現し、人とつながり、時には生きる力にもなる、そんなことを指し示すプロジェクトでもある。TSI HD、オリィ研究所、そして武藤将胤氏が挑む「MOVE WEAR」は、ファッションとテクノロジーが生み出す新たな可能性を示している。

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