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Global|ジェンダーレスな”無香”香水トレンド

Jun 19, 2018.呉ステファニーTokyo, JP
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香水は元来、匂いを隠したり、誘惑したり、自分の好きな香りを楽しんだりといった用途で使われてきた。 つけ過ぎると頭痛の原因になるなど、癒しとは逆の効果が生じることもあり、 使う量には多すぎても少なすぎてもいけない絶妙な具合がある。香水を5W1Hの視点から考えてみると、どのような気持ちにさせる香りか?、誰のためまたはどんな理由があってつけるのか?、いつ、どこでつけるのか?など、香水はまるで洋服のように、むしろ洋服よりも親密な距離感で私たちの人格を定義する。 多種多様な香水が溢れる昨今、特に欧米では従来よりミニマルでユニセックス、かつ”香りのしない”香水(すっぴんメイクのようなニュアンス)がトレンドになっていて、エフォートレスでユニーク、そしてパーソナルな魅力のある香水が求められている。

ミニマルでユニセックスな香水の代表格といえば、1994年に発表された「Calvin Klein(カルバン・クライン)」の「CK ONE(シーケーワン)」だ。シンプルかつクリーンで官能的な香りは、時代を超越する、多様なペルソナに受け入れられる、ジェンダーレスなフレグランスとして、25年近くにわたってマーケットで独特の存在感を放ってきた。「CK ONE」に続くように、この新たなジャンルでこれまで多くの香水が誕生してきたが、中でも初期に出てきた香りは前例のないものだった。 2006年に登場した”見えない”香りと表現される「Escentric Molecule 01(エセントリック・モレキュールズ 01)」は、これまでの香水界の常識に反するような香りで、「Iso E Super」という自然界に存在しない合成香料を使用した、ウッディ調でほんのわずかに香るフレグランスだった。合成香料を使用したそれは香水とは異なり、ボトルを開けた瞬間は無香だが肌につけた瞬間、ナチュラルなフェロモンと融合し、つけた人それぞれの香りへと進化するというユニークな特徴を持っていた。ユニセックスな香りで、自分では匂いを強く感じないが、周囲に良い香りを届けるので、周りの人から褒められるといった事象が発生した。

ファッションブランドやアーティスト、有名人と関わりのないニッチなフレグランス市場では存在感を放っているのは「Mx(ミックス )」というフレグランスで、天然のピュアでエキゾチックな成分から作られた、官能的かつまるで猫に癒されるような心地良さを閉じ込めた香りが特徴だ。「Mx」は2014年にヴィンテージの香水収集家バーバラ・ハーマン(Barbara Herman)と、「Armani Code」(アルマーニ・コード)と「Comme des Garçons Wonderwood」(コムデギャルソン・ワンダーウッド)の調香経験を持つフランスの調香師アントワーヌ・リー(Antoine Lie)が設立した「Eris Parfums(エリス パフューム)」というブランドの最新作で、現在同ブランドはその他に3種類のフレグランスを提供している。

最近はアーティストやミュージシャンとフレグランスブランドとのコラボレーションが人気で、そういったフレグランスは製品そのものよりも、コラボレーションという希少価値を手に入れることに熱心な消費者を魅了している。近年のファッションシーンで知らない人はいないであろう、「OFF WHITE(オフ・ホワイト)」の創業者兼クリエイティブ・ディレクターのヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)は、フレグランスブランド「Byredo(バレード)」の創始者ベン・ゴラム(Ben Gorham)と協業し、「Elevator Music(エレベーター・ミュージック)」という香りを創り出した。「Elevator Music」という名前には、静かで目立たず、ただその場の雰囲気を作るためだけの香りという意味合いが込められている。

ユニセックスでソフトに香るフラグランスは、過去10年の間に市場に出回っているが、ミレニアル世代とジェネレーションZ世代は、ブランドの華やかさに加えて、現代的で若々しく、ユニークな自己表現のできる香水を求めている。実際に「LE LABO(ルラボ)」や「Maison Francis Kurkdjian Paris(メゾン フランシス クルジャン)」のような、職人技が光るオーダーメードフレグランスのブランドが売り上げを伸ばしていて、今後の動きに注目だ。

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