男性全体:「好き」25%、「好きではない」45%
女性全体:「好き」36%、「好きではない」32%
となっていて、男性の「好きではない」がかなり全体の足を引っ張っているようである。「ああいうチャラチャラしたのを私は好きではない」ということなのであろうか。
いわゆるハイブランド&ラグジュアリーブランドの消費量が女性65%、男性35%と巻間言われているが、この調査でもブランド各論では男性にとってのラグジュアリーブランドといえば腕時計の「ロレックス(ROLEX)」や「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」がまず挙がるので、これはまあ肯けるとも言えるが、メンズバッグの強化をここ10年ほど打ち出しているファッション&レザーグッズ部門のラグジュアリーブランドだが、成果は芳しくないのではないだろうか。
この調査結果によると、特に「あまり好きではない」人の割合は、20〜30代男性でやや高めになっているというのが気になるところである。私の個人的な見解ではあるが、リーマン・ショック後の就職氷河期や最近のコロナ不況をモロに被っている現在の20〜30代がハイブランド&ラグジュアリーブランドに対して、「憧れの存在」「モテの必須アイテム」「クリスマス・ラブ」などの幻想をすでに持っていないのではないかと思えてくる。そもそもデートの費用はワリカンとか男が全部支払うのはおかしいという男子が急激に増加していると聞く。日本の労働者の所得は1990年以降ここ30年間横バイが続いているが、その結果20〜30代がハイブランド&ラグジュアリーブランドに目を向けなくなるようなことになってしまうと、このカテゴリーはかなり厳しい状況に陥ってしまうだろう。その購買が40才台、50才台(特に女性)に偏重するようになることが予想されるが、これにはどう対処するのか。
最近「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が中心になって進めているストリート・ラグジュアリーの流れは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」がメンズのクリエイティブ・ディレクターにヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)を指名(2018年3月25日)することで、急速に広がっているのであるが、これがそうした20〜30代台男子のラグジュアリー離れに対して効力を発揮するのかどうか。簡単に言って、日本の20〜30代台男子はそうした高価なものに対して、金を使えないだけになってしまっているのか、それともこうしたラグジュアリーブランドの戦略が功を奏して、気に入ったらカードを使ってでも買うようになっていくのか?このあたりは興味深いところである。
次回は「LINEリサーチ」による好きなブランド各論編を見てみることにする。