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Global|「ルルレモン」アジア地区ブランド・ディレクターが語る今後の拡大戦略について

Jul 1, 2019.呉ステファニーTokyo, JP
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「ルルレモン」キーン・イム(Keen Yim)アジア地区ブランド・ディレクター

カナダ・バンクーバー発の高機能アスレチックブランドの「ルルレモン(Lululemon)」は、日本初の体験型ストアとなる「ルルレモン ハラジュク」が今年4月にオープンし話題になっている。昨年には中国・北京の紫禁城で大規模なヨガクラスを含むイベントも開催し、参加者は3,000人以上を数え、中国のSNS上で10億以上のインプレッションを生み出した。2019年第1四半期末時点で、アメリカに237店舗、カナダに54店舗、オーストラリア・ニュージーランドに34店舗、アジアに23店舗、ヨーロッパに14店舗を構える。売上高は7億8230万ドル(約846億円*)で、2018年度第1四半期から20%増加し、グローバルとデジタルでの存在感を拡大している。「ルルレモン」は2020年の戦略としてECを強化する。製品カテゴリーの刷新に投資し、サイトを改善していくことに力を入れている。「ルルレモン」は、特に中国においてECの売上が急成長していて、2018年度には150%の増収だった。昨年、アジア地区のブランド・ディレクターに就任したキーン・イム(Keen Yim)に、アジアでの成功について話しを聞いた。

SVT:「エムシーエム(MCM)」のマーケティング責任者や「バーバリー(Burberry)」のアジア太平洋地域のマーケティング・ディレクターを歴任し、そして昨年8月に「ルルレモン」のアジア地区のブランド・ディレクターに就任しました。そのきっかけを教えてください。

キーン・イム(以下、キーン):元々ファッションが大好きで、長年この業界で仕事をしてきましたが、自分は社会のためになにができているのだろうかと思い始めたことがきっかけでした。ファッション自体にはなんの問題もありません。ファッションは人に幸福な感情を与えますから。仕事をしながら何かが足りないと感じていましたが、良い巡り合わせが繋がっていき「ルルレモン」にたどり着きました。

ウェルビーイング、つまり心身だけではなく社会的にも健康な生活とファッション、スポーツが融合することで、美しく健康的なライフスタイルを送ることができることを多くの人に教えてあげたいと思っています。

そして、アジアについて考えた時、フィットネス産業は成長はしているものの、アメリカほどの規模ではありません。いつも私は、ではどうすればいいかと考えています。現代人は機能的で美しくそして日常的に着られる服を求めています。「ルルレモン」はそうした人々の健康的なライフスタイルへの繋ぎ役として考えています。ただし、「ルルレモン」はただ商品を買ってもらいたいだけなのかというと、答えはノーです。健康的なライフスタイルを送る人が増えることで、世界がより良くなっていき、ビジネスもより良くなっていくものだと考えています。

SVT:「ルルレモン」アジア地区のブランド・ディレクターとして、ブランドの視野を広げるために何に取り組んでいますか?

キーン:「ルルレモン」でのブランディングは特に面白いです。ご存知だと思いますが、ファッションは文化を映すものです。この世の中についてどう思っているのか、どんな人になりたいのかなど、それぞれ違う考え方があります。100店舗をオープンして50店舗をクローズしたりするような、スタッフにとっても会社のビジネスにとっても弊害となることよりも、長続きする事業を築きたいです。以前と比べて消費者が賢くなり、消費者が求めているものは自分にとって意味のあるものです。社会的なアプローチと口コミを通して、健康的なライフスタイルを提唱しながら、人々の生活を豊かにすることができると我々は信じています。地域のアンバサダーと交流する機会を提供し、変化を起こすことで、我々の信念や価値観を理解してもらえると思っています。広告費を一切かけていませんが、その代わりに顧客の信頼を得た時こそ、ブランドの名誉を高められると信じています。我々の実績はその実例の一つだと言えると思います。そして、私のアジアでの役割は、地域の独特な文化にアプローチし、この名誉を守ることです。簡単にいうと、顧客とのこの関係を構築し続けたいだけです。

SVT:アジアでの市場規模の大きい国を順番に教えていただけますか?

キーン:市場というのは人口に主に左右されていると思います。 例えば、オーストラリアは依然として最大市場の国であり、好調が続いてます。スポーツ文化の国なので、「ルルレモン」の販売を始めてから10年以上経ちました。 アジアですと、中国が急速に加速しています。一つの大陸だけではなく、アジアの国々はそれぞれの動きで移動しています。アジアでは、日本は周りの国よりファッションの信憑性について特に高い評価を持っています。 高度な職人技の大切さをよく理解している国なので、最近立ち上げた「ルルレモン ハラジュク」は注目されているではないかと思います。 

SVT:ここ数十年のトレンドであるサスティナブルは、会社のイメージにおいて重要な部分になりました。 「サスティナブル」と「ビジネス」のバランスをとるために「ルルレモン」がしていることはありますか?

キーン:サスティナブルあるいは企業の社会的責任については、最終的に「私たちは人々を信じる」ということと同じ意味です。ひとつのことを成し遂げるために、誰かを心から納得させることができるなら、人の心を動かせます。それはまたコミュニティという概念に戻ります。まず、ポイントがふたつあります。ひとつ目は健康的なライフスタイルを取り入れるということです。社内全員もそうですし、ひとつの部署だけではなく、ふたつ以上の責任を負うことになります。例えば、健康的なライフスタイルに振り向かせるために、最初はファッションとしてのヨガパンツを買ったとしても、それがきっかけとなりヨガをやってみたいと考え始める可能性もあります。そう考えると、アジアの人々にとって重要なことでもあります。私たちが健康的なライフスタイルを実践するように教えたり奨励したりしなければ、将来増えてくる高齢者が若者たちの負担になりますし、逆に両者が健康的な生活を送るようになれば、老後にかかる資金も少なくなるでしょう。最大の健康リスクは運動不足な人が多いことです。 責任について考えるならば、それは会社や部署の中のひとりのことではありません。私たちが一緒にできることです。だからこそ、みんなが私たちのモチベーションになるでしょう。

ふたつ目のポイントは人を育てることです。私たちの教育者や最年少のスタッフは単なる販売だけじゃなく、マーケティングやVMDなどいろいろな場面で経験を踏んでいます。多方面にわたって人を育てています。私たちと教育者の関係は経営者と従業員という単なる関係ではありません。会社の毎年の目標の一つは社員の目標を支えることです。社員を留めようとしている企業が多いと思いますが、私たちは強制していません。目標を持ち信念を貫いていくと、もっと優秀な人材が増えると思いますので、それに種を蒔いています。何かを変えたいのであれば、ひとりひとりを育てていくべきだと思います。

*1ドル=108.240円換算(7月1日時点)

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