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「無印良品500」の成功確率は?

Oct 21, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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「無印良品500」ロザヴィア茨木店(公式HPより)

良品計画は10月7日、「無印良品500」の西日本初となる第2号店を、阪急・茨木市駅に直結する商業施設「ロザヴィア茨木」(茨木市永代町)内にオープンした。これは9月30日にオープンした東京・三鷹駅構内のアトレヴィ三鷹にある三鷹店(55坪)に続くものだ。これで東京と大阪に実験店がオープンしたことになる。

同社では、今後の出店計画について、1日の乗降客が3万人以下の駅が850ほどあり、そこに1万店以上のコンビニエンスストアがある。まずは2023年までに都心部を中心に30店舗、その後年間20店舗のペースで出店。将来的に中食サービスを提供する「MUJI Kitchen」との併設施設を含めて、2000店まで拡大するという。

つまり「無印良品500」は、エキナカや駅直結店で先行する100均、300均ショップとコンビニの市場に割って入って売り上げを奪取するというのが基本戦略のようだ。

100均の大手5社(大創産業、セリア、キャンドゥ、ワッツ、音通)を中心とした100円ショップは2021年度は約500億円増加して9500億円(+5.8%)。2022年度内にも市場規模は1兆円を突破しそうだ。店舗数も大手4社では2022年2月末時点では約8400店(+6.4%)と2年間で約800店増加。早ければ2025年度内に1万店を突破すると見られている(以上帝国データバンク調べ)。

気になるのは、「1兆円、1万店」という壁。成長を続ける業界もこうした壁がなかなか越えられない例が多く、今後100均ショップがどうなるか気になるところ。

これに代わって期待されるのが300均ショップ。代表例がパルグループホールディングスの「スリーコインズ(3COINS)」だ。1998年から実に24年の歴史があるが、ここ5年ほどで本格化。2022年2月期では連結売上高1342億円(前年比+23.7%)中の379億6000万円(同+46.2%)が「スリーコインズ」の売り上げだった(230店舗)。連結売上高の28.2%を占め、まさに屋台骨を支える存在になっている。

またこの「スリーコインズ」に範をとった300円ショップ「イルーシーサンマルマル(illusie300)」が好調で万年赤字体質を脱却しそうなのがパレモ・ホールディングスだ。2022年2月20日現在では店舗数はアパレル233店舗、雑貨144店舗、複合3店舗という構成になっており、軸足をアパレル一辺倒から「イルーシーサンマルマル」を中心にした雑貨ショップとの2本足体制に移して、2023年2月期には久方ぶりの黒字決算になる見通しだ。

そして300均のさらにその上をいく500均ショップでの一番手企業を狙っているのが「無印良品500」というわけだが、果たして狙い通りにいくだろうか。今後が大いに注目される。

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