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そごう・西武売却でフォートレスが優先交渉権を得たようだが、難問山積!!

Nov 10, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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セブン&アイ・ホールディングスは、そごう・西武の売却を表明していたが、ソフトバンクホールディング傘下のアメリカの投資ファンドであるフォートレス・インベストメント・グループ(以下フォートレス)が優先交渉権を獲得したようだ。フォートレスの提案した買収価格は、条件として出ていた2,000億円をかなり上回る価格で他の買収希望企業に比べ最も高い金額(3,000億円以上という噂)だったという。そごう・西武自体は1,500億円の有利子負債を抱え、その他のグループ内での有利子負債を加えると合計で3,000億円程度だと言われており、関心を示していた日本の大手不動産会社は恐れをなして早期に入札から降りたという。多額の有利子負債に加えて、例えば西武池袋本店の地権者は西武鉄道であり、西武渋谷店も複数の地権者がいるのがネックになったという。さらに都心店の西武池袋、西武渋谷、横浜そごうについては黒字が見込めるが、それ以外の地方店7店(西武所沢S.C.、そごう大宮、そごう千葉、西武東所沢S.C.、西武秋田店、西武福井店、そごう広島)については黒字化はきわめて難しく、さらに閉店に伴う解雇問題など、日本の上場企業としては踏み込めない領域があるという判断が下されたという。
結局そういう解雇問題については「熟達」の米国ファンドが残ったようだ。フォートレスはノウハウを持つ流通企業と連携するのを提案しているようで、家電量販大手のヨドバシホールディングスと協議を進めており、その際に西武池袋本店へのヨドバシカメラの入店が検討されているという。
そごう・西武の最大の魅力は、都心の3店である。西武池袋本店は、伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店と並ぶ日本の百貨店を代表するビッグ3の巨艦百貨店である。さらにそごう横浜店は、横浜高島屋と覇を競う横浜地区の巨艦百貨店である。渋谷西武は年商500億円規模の店ではあるが、ラグジュアリーブランドの集積が多く、高感度の店としてファッション発信百貨店として知られている。ポイントはこの3店を百貨店の枠を超えたショッピングセンター化して、飛躍させることだろう。そして残りの7店については赤字の垂れ流しを早期に止めることだろう。
池袋は、ビックカメラ池袋本店(池袋駅東口すぐ)、ビックカメラ西口店、ビッグカメラアウトレット×ソフマップ池袋東口店、ヤマダデンキLABI LIFE SELECT池袋、ヤマダデンキアウトレット・リユース&TAXFREE店、ノジマ池袋東武店など、都内でも有数の家電量販店の集積地で、業界第5位で高い利益率を誇るヨドバシカメラも参入を狙っていた市場。前述したようにフォートレスとのタッグでこの池袋西武への入店を果たしたいところだろう。
今回、フォートレスが優先交渉権を得たとされているが、関係者の間では「もう一山、二山ありそう」という見方が消えない。交渉の成り行きに注目したい。

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