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YouTuberのサリーさんがワークマンの社外取締役に就任

May 8, 2023.茂木美櫻Tokyo, JP
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YouTuberのサリーさんがワークマンの社外取締役に就任

建設作業や工場作業向けの作業服や関連用品を扱う「ワークマン(WORKMAN)」などを展開するワークマンは、YouTuberやブロガーとして活動する「サリーさん」こと濱屋理沙が、同社の社外取締役に就任すると発表した。

サリーさんは、家族で毎週キャンプに行くほどのキャンプ好きで、アウトドアに関する情報を中心に発信するインフルエンサーだ。2017年に開設したブログ「ちょっとキャンプ行ってくる。」は約2400万ビューの閲覧数を記録し、現在サリーさん名義で動画投稿を行っているYouTubeチャンネルの登録者数は4万人以上。「ワークマン」に関する動画を311本投稿しているが、その総再生回数は約1400万回にも上る。

元々「ワークマン」のファンだったサリーさんは、溶接作業用の「綿かぶりヤッケ」を、バーベキューや焚き火用のアウトドアウェアとして最適であると自身のブログで紹介。するとその後、「綿かぶりヤッケ」が即完売した。

それを機に、彼女はワークマン初のアンバサダーに任命され、プロに向けて販売されていた「綿かぶりヤッケ」を女性向けのデザインに改良した「コットンキャンパー」を共同開発。40万着以上を売り上げるメジャー製品となった。

他にも、本人の名前が入った「ライトサリーパーカー」や、ヒット商品の「フルジップコットンパーカー」など、サリーさんとワークマンが共同開発したアイテムはこれまでに計31点を数え、累計販売点数は100万点を超えた。

さらに彼女の存在は、ワークマンが女性客をターゲットにした「#ワークマン女子」という新業態をスタートさせるきっかけにもなった。作業服に限らず、日常生活でも使えるカジュアルウェアやスポーツウェアも販売する同ブランドは、2020年の1号店出店以降、順調に支持を集め、現在33店舗を展開している。

ワークマンは、企業モットーを「働く人に、便利さを」から「声のする方に、進化する」に変更した。このことにも表れているように、ワークマンはアンバサダー制度を本格的に発足させ、サリーさんを含む約50人のアンバサダーからのフィードバックや提案を「丸呑み」する形で商品を開発するという路線に舵を切った。そうした形で共同開発した商品は、現在自社製品の3分の1を占める。

インフルエンサーが会社やブランドを起業するのではなく、既存の有名企業の社外取締役に就任するという異例の決定だが、彼女がこれまで会社にもたらした利益や実績に裏付けられた堅実な一手とも受け取れる。今後の成果によっては、新たなビジネスモデルの1つとして広がりを見せる可能性もある。

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