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夏だけじゃなく、年中忙しい「サーティワン」 酷暑特需に頼らず3年連続で最高益【いづも巳之助の一株コラム】

NEWOct 24, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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11月1日から27日まで実施する「HELLO KITTY Loves ICE CREAM」

「サーティワンアイスクリーム」を展開するB-R サーティワン アイスクリームが、10月23日に2025年12月期の1〜9月期決算を発表。純利益は前年同期比16.6%増の19億8800万円、営業利益は同13.4%増の30億5200万円。同期として3年連続で過去最高を更新した。酷暑特需の恩恵を受けながらも、同社の本当の強みは「暑さに頼らない仕組みづくり」にある。今年の夏も「サーティワン」を食べて美味かった巳之助だったが。

■酷暑特需と堅実な利益率
売上高は258億5300万円(+11.7%)。物流費や原材料高にもかかわらず、営業利益率を維持した。鍵を握ったのは「体験価値」を軸とした店頭改革だ。全国の75%以上の店舗を改装し、木目調の「MOMENTS」デザインを導入。ポップな従来型とは対照的に、温かみのある木目と柔らかな照明で「長居できる居心地」を生んだ。店内を「過ごす空間」に変えたことで、ファミリーやカップルの滞在時間が延び、客単価は過去最高を記録している。

■濃厚フレーバーで季節を越える
「サーティワン」の巧みさは、アイスを「夏限定の商品」で終わらせなかった点だ。チーズ、カフェ、ティーなど、濃厚で冬にも合うフレーバーを拡充し、ハロウィンやクリスマス向けのアイスケーキで家庭内デザート需要を取り込んだ。「冬アイス」という新しい市場を創出したのである。

■競合との違い
「ハーゲンダッツ」が「自宅で贅沢」型。対する「サーティワン」は「体験型+家族型」だ。店舗数は国内1000店を超え、客単価は平均700円台。改装店舗の坪効率は1.3倍へと上昇した。「ハーゲンダッツ」が「ひとりの時間」を売るブランドだとすれば、「サーティワン」は「みんなでアイス」を提供している。

■アプリがつくる熱いプロモーション
1000万会員を超える公式アプリが、季節を問わないリピート循環を生み出している。フレーバー投票や限定クーポンによる顧客接点が、オフシーズンの来店動機を支える。アプリ経由の売上はすでに全体の約2割に達し、熱いプロモーションを展開している。

■次の成長は「31 in 2031」
中期経営計画のスローガンは「31 in 2031」。2031年に税引前利益31億円の達成を掲げている。今後の成長軸はギフトと海外展開。アイスケーキやデザートのEC事業を強化し、台湾や香港などアジア市場への再拡大を図る。

■株価の評価
株価は4,245円(10月23日終値)。営業利益率10%、ROE15%を維持できれば、PER25倍で理論株価は4,800〜5,000円台。進捗率125%を考えれば、通期上方修正の可能性も高い。

巳之助の購買レンジは4,000〜4,200円だな。「アイスは夏のもの」という常識を覆したサーティワン。店舗は365日忙しいな。

プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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