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中国コスメブランド「パーフェクト・ダイアリー」を手がけるヤッセンの全貌

Jan 23, 2022.Tokyo, JP
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ここ数年、SNSで話題となり日本でも人気を集める中国コスメが、続々と日本に上陸している。カラー展開の豊富さや発色の良さに加え、魅力的なパッケージデザインが中国コスメの特徴で、日本のユーザー達の心を掴んで離さない。日本に進出する中国コスメブランドの1つに「パーフェクト・ダイアリー(Perfect Diary、完美日記)」がある。その運営会社であるヤッセン(YATSEN、逸仙電商)は、2020年11月にニューヨーク証券取引所(NYSE)で6億1700万ドル(約660億円*)のIPOを行い、国際的な知名度を一気に高めている。今回、中国国内外で注目されるヤッセンの成長の過程と、同社が展開するブランドについて紹介する。

ヤッセンは、創業者の3人の母校である中山大学が、孫文(別の号:逸仙)によって設立された事にちなんで、社名を逸仙電商(ヤッセン)と命名し、2016年に設立された。先ほど紹介した「パーフェクト・ダイアリー」は、ヤッセンの創業と同年に立ち上げられた同社初のコスメブランドだ。立ち上げからわずか2年後の2018年には、中国のECサイト「Tモール(Tmall、天猫)」で、「ロレアル(Loreal)」などの海外ブランドを抑え、化粧品カテゴリーで売上第1位という記録を叩き出した。その後、「パーフェクト・ダイアリー」は一気に中国国内で最も人気のあるコスメブランドの1つに躍進し、世界でも注目を集め始めた。そして翌年の2019年には、ヤッセンは中国・広州にあるユニコーン企業(評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ企業)と呼ばれるようになった。当時、広州のユニコーン企業の中では、唯一EC事業を展開している会社であった。

2020年にはマルチブランド戦略を取り、積極的にブランド買収を進め、中国発のコスメブランド「リトルオンディーヌ(LITTLE ONDINE、小奥汀)」とフランスの高級コスメブランド「ガレニーク(Galénic)」の買収や、新たなブランド「アビーズ・チョイス(Abby's choice、完子心選)」を立ち上げた。2021年には、さらに積極的な事業拡大を図り、英国の高級スキンケアブランド「イヴロム(Eve Lom)」と台湾スキンケアブランド「ドクター・ウー(DR.WU)」の中国本土の事業部の買収に乗り出し、自社コスメブランド「ピンクベアー(Pink Bear、皮可熊)」を立ち上げた。現在では、計7ブランドを展開している。今回は、ヤッセンが展開するブランド7つの中から、「アビーズ・チョイス」「ピンクベアー」「リトルオンディーヌ」の3つをピックアップする。

「アビーズ・チョイス」は、2020年に中国のECサイト「Tモール」に旗艦店がオープンした、ヤッセンオリジナルのスキンケアブランド。その名の通り「アビー(Abby、小完子)が選んだ商品」を意味する。「アビー」とは、「パーフェクト・ダイアリー」のファンマーケティングを運営するバーチャルKOL(Key Opinion Leaderの略、中国で増えているなんらかの専門性を持ったインフルエンサー)のことだ。「パーフェクト・ダイアリー」が大ヒットしたのも、このファンマーケティングが優れていることが大きい。ヤッセンオリジナルのブランドで、スキンケアを中心に商品を扱っているのは「アビーズ・チョイス」のみ。

「アビーズ・チョイス」の公式サイトより

「ピンクベアー」は、2021年に設立されたヤッセンオリジナルのコスメブランド。ブランド名には、「この世のすべての女性に、年齢に関係なくいつまでもピンクの心を持つ少女でいてほしい」という意味が込められている。そのため、主にピンク色でクマのイラストが描かれており、可愛さが溢れるパッケージがブランドの特徴となっている。

「ピンクベアー」の公式サイトより

「リトルオンディーヌ」は2013年上海で設立され、2020年にヤッセンに買収されたコスメブランドで、当初は、除光液がいらない「はがせるネイル」などのネイルポリッシュを販売していた。その後、国産コスメの路線を強化し、様々な化粧品を展開するようになった。現在は、アイライナーも主力製品になり、安価で使いやすい商品が魅力になっている。

「リトルオンディーヌ」の公式サイトより

*2020年11月の上場時

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