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「ドンキーコング」のニンテンドーと「ゴリラ」のドウシシャが辿った同じ道のり【いづも巳之助の一株コラム】

NEWAug 5, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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最近、ドウシシャの財務指標を見て、株フリークのオジサン達が、こぞって推奨銘柄にするケースが多くなってきた。ドウシシャの株は深い味わいがあるが、そこまで踏み込んで言ってはいないだろうな。今日は深い味わいを皆さんと共に楽しみたい。

さて、第1四半期決算は文句なしの好発進。純利益は前年+41.3%は、言うまでもなくゴリラのハイパワーシリーズの大ヒットだ。ふくらはぎをゴリラパワーで圧迫する商品で100万台を突破。その他にもフライパンだとか得意の水筒とかでガッポリ稼いだ。その結果、会社に現金で360億円も貯まったし、有利子負債もほぼ0。自己資本比率は87%かー。大したもんだよ。

ただこの会社、よーく見ると全体売上げシェア42.6%もあった卸売部門は、売上が前年比▲20億円になってしまい、38.4%になってしまった。つまり、完全にヒット商品に頼る「一発屋体質」の企業と化してしまったんだ。

そして社内では、さぞヒット商品が連発する仕組みが構築されてるのでは?と期待したが、研究・開発部門はなく、ユーザーと対話のSNSさえおぼつかない。今は「ヒットすれば万々歳、外れれば静かに撤退」というバクチ的な構造だ。ここは株主としては、やっぱり「エビデンスを積み上げる」構造が欲しいよね。

でもね、期待したいのは、この手の会社で世界企業になった世界企業があるじゃないか。その名はニンテンドーだ。今から50年前は、ニンテンドーだって面白グッズ連発で一発屋だったんだよ。80年代からは、自分たちで新しい遊びを作ることを覚え、ファミコンに進化していったが、ドウシシャのここまでは同じような道のりを歩んでいるよ。

今回ヒットしたゴリラ商品は、これからシリーズで様々なアイテムを考えているようだが、せめてユーザーとの接点やフィードバックを商品に反映したいね。ここからは、単に「何かヒット商品のアイデアはないかなー?」と漫然と考えるのではなく、「ブランドを育てる投資」「生活研究部門の創設」「顧客と共創マーケティング」にふんだんにお金を使って、新しいきっかけを作ってもらいたいね。それが確認されたら監視銘柄にするという事で……?。100株でも持てば、何十年後かに100倍以上になったりして。でもまあ、気づいた時には手遅れっていうのも、よくある話だけどねー。

▶巳之助メーター 1ニョロ 今は素通り
「体験設計」のための投資が始まったら、まだ注目の少ないうちから監視だね。短期だったら妙味はある。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)

■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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