
スペインを代表するラグジュアリーブランド「ロエベ(LOEWE)」が7月13日から発売した新作バッグ「パズル トート」が早くも人気になっている。
人気が高く、ベストセラーになっているバッグを表す「イットバッグ」という言葉があるが、昨今ではラグジュアリーブランドが躍起になって独自のデザインのバッグを開発している。「ロエベ」も同様で、最近はそうしたイットバッグを連発している。
「ロエベ」の「パズル トート」は幾何学的なデザインが特徴で、ブランドの代表的なバッグ「パズル」と、日本の折り紙からの着想を融合したようなデザインになっている。レザーピースを縫い合わせた構造になっており、折りたたんで完全なフラットにすることもできる。
しかし、この「パズル トート」が「バオ バオ イッセイ ミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE)」に似ているとの声がSNS上にあがっている。例えば、「パズルバッグにBAO BAOのアイディアをプラスして拡大したような折り紙風トートバッグはヒット間違いなし」といったツイートなどだ。
両バッグのデザインに共通することは、幾何学的な造形で平面としてコンパクトに持ち運びができることだ。バッグの中にものが入っているときと入っていないとき、また入っているものによって変化するかたちが、洗練されていて、機能性も兼ね備えたデザインになっている。ただ、「バオ バオ イッセイ ミヤケ」のバッグがPVC素材とメッシュ生地などで作られてることに対して、「ロエベ」の「パズル トート」はカーフスキンなど革で作られている。今回、新発売された「パズル トート」が革でつくられていながらも、完全フラットにすることができるという点が新しい。
イッセイ ミヤケ社はデザインの盗用に対して非常に厳しい姿勢をとっている。この「バオ バオ イッセイ ミヤケ」も例外ではない。過去には類似品を製造、販売した日本のバッグメーカーのラルジュを相手に裁判を起こして2019年に勝訴し、その損害賠償額は7000万円以上にもなった。「ロエベ」の「パズル トート」は、その発想に共通点が感じられないでもない。今後のイッセイ ミヤケ社の反応が注目される。