
プロボクシング界で大きな注目を集める一戦が、ついに正式決定した。大橋ボクシングジムは9月25日、WBC世界バンタム級王座決定戦が11月24日に開催されると発表。世界同級1位の那須川天心(帝拳)と、2位の井上拓真(大橋)が激突する。那須川はプロ戦績7戦7勝(2KO)、井上は22戦20勝(5KO)2敗と、実力派の一戦となる。
注目の一戦が決定したのは、兄であり世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥の強い後押しもあった。大橋秀行会長によると、「拓真を那須川天心選手と戦わせてほしい。モチベーションが上がるし、どうしてもやりたい」と尚弥が直訴したという。
この決定の裏側で、選手のコンディションを支えるアイテムが導入された。スポーツ・医療機器メーカーのファイテンが同日、井上尚弥・拓真らが所属する大橋ボクシングジムに、最新技術「ナノメタックスコーティング」を施工したと発表した。
「ナノメタックスコーティング」は、ファイテン独自の水煙加工技術を用いた最先端のコンディショニング技術。疲労回復やリラックス効果、集中力向上などの効果が期待でき、トップアスリートの間で支持が広がっている。フィギュアスケートの羽生結弦や柔道の角田夏実など、競技の枠を超えて多くの選手が愛用していることでも知られる。
今回、大橋ジムではトレーニング環境そのものをアップデートするため、ジム全体にこのコーティングを施した。Tシャツやシューズといったアイテムへの加工も可能な技術だが、空間ごとコンディショニング環境を整える。
大谷翔平選手を例にあげるまでもなく、近年は「疲労回復」や「睡眠の質」「日々のコンディション管理」がパフォーマンスを左右する重要なテーマとなっている。実際、WBC・IBF世界フライ級王座を返上しスーパーバンタム級への転向を表明した中谷潤人も、25日にリカバリーウェアのTENTIALとコンディショニングサポート契約を締結しており、「身体の整え方」には大きな注目が集まる。
頂点を目指すアスリートたちの戦いは、リングの上だけではない。日々の疲労をいかに抜き、最高の状態で試合に臨むか――その鍵を握る最新技術の導入が、11月の頂上決戦にも大きな影響を与えるかもしれない。