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「セルジオ ロッシ」のサポートを得て片山真里の「ハイヒール・プロジェクト」が再始動

May 30, 2023.岩見光Tokyo,JP
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片山真里 公式インスタグラムより

イタリアのシューズブランド「セルジオ ロッシ(Sergio Rossi)」は、義足のアーティスト片山真理による「ハイヒール・プロジェクト」の第2章に参加したと発表した。「ハイヒール・プロジェクト」は、「ハイヒールが特別なものではなく。でも、あなたにとって(大切で / なんでもない)自由に選択できる1つになってほしい」というビジョンを掲げている。

幼少の頃より裁縫に親しんでいた片山真里は、先天性の四肢疾患により9歳で両足を切断。2012年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。以後、手縫いの作品や装飾を施した義足を使用しセルフポートレイトを制作。「ハイヒール・プロジェクト」は、片山真里がハイヒールを履くための義足を制作し、街を歩き、ステージに立つことを目標としたプロジェクトとして2011年にスタート。2012年にはハイヒールを履き、ライブパフォーマンスなどを行った。2022年4月末から本格的に始動したプロジェクト第2章では、様々な他者とつながり、身体そのものの可能性について問い、全ての人にとっての「理想を抱く自由」のために活動していくという。

「セルジオ ロッシ」は、今回のプロジェクトでハイヒールシューズの制作を担当。 創設者セルジオ・ロッシの「シューズは女性の脚の延長である」という理念に片山真里が共鳴したことから、協業に至ったという。「セルジオ ロッシ」のシューズは、洗練されたシルエットにジオメトリック(幾何学的)なディテールやロゴプレートをあしらった、独特のモダンテイストが特徴。近年、同ブランドが長い歴史で蓄積してきた技術と精神を現代へ昇華させ、遊び心を忘れない力強く現代的な女性に向けてたデザインを発信している。その中でも、「シー ロッシ(SI ROSSI by Sergio Rossi)」は、自信に満ちたモダンな女性らしさを追求するシューズコレクションで、今回のプロジェクトで展開されるカスタマイズシューズのベースとなっている。

本プロジェクトカスタマイズシューズを製作する全工程は「セルジオ ロッシ」のデザインチーム、プロダクションチーム、片山真理、そして日本の義肢装具士である医師との対話を重ね進められた。1960年代後半に創業した「セルジオ ロッシ」は、過去70年にわたり熟練の職人たちが手作業で作り上げてきた。また、1足を完成させるには120工程、14時間の作業が求められるという。「シー ロッシ」コレクションのシェイプは、オーダーメイドの機能的な要望にも応えることができるプラットフォームとストラップで、また、通常に比べてヒールが太いチャンキーヒールという義足が地面で安定するために必要となる重要な要素を持っている。そのため、デザイン性だけでなく機能性も充実している「シー ロッシ」は、片山真里の個性とマッチするコレクションとしてベースモデルに採用された。

「セルジオ ロッシ」は、1999年からケリング傘下のブランドだったが、2015年にイギリスの投資会社インベストインダストリアルが買収された。創業者でシューズデザイナーのセルジオ・ロッシは、​​2020年4月、新型コロナウイルスによる合併症で死去。84歳だった。

 

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