前橋市に「白井屋ホテル」が開業　「ジンズ」田中仁社長の田中仁財団のもとアートデスティネーションとして再生

白井屋ホテル株式会社は12月12日、群馬県前橋市にアートデスティネーションをコンセプトにしたホテル「白井屋ホテル/SHIROIYA HOTEL」を開業した。「白井屋ホテル」は、江戸時代から続く旧宮内庁御用達「白井屋旅館」が始まりで、森鴎外、乃木希典などの多くの芸術家や著名人に愛されてきた。しかし、1970年代にホテル業へと転換するも、中心市街地の衰退とともに2008年に惜しまれながらも廃業した。その後、ジンズホールディングスの田中仁社長が代表理事を務める一般財団法人田中仁財団が手掛ける、前橋市の活性化活動「前橋まちなか活性化プロジェクト」の一環として新たに「白井屋ホテル」として再生、約5年の歳月をかけて大改修と新棟の建設が行われた。田中仁財団は、前橋市出身の田中仁代表理事が2013年に設立し、群馬県内の地域活性化活動に取り組んでいる。

全体設計を建築家の藤本壮介が手掛け、旧白井屋の建物をリノベーションしたヘリテージタワー（17室）と、利根川の旧河川の土手をイメージして新築されたグリーンタワー（8室）の2棟から構成されている。メインダイニング「the RESTAURANT」は、ミシュラン2つ星の川手寛康シェフの監修のもと、上州の食材を活かしたメニューを提供する。吹き抜けの下にあるオールデイダイニング兼ラウンジ「the LOUNGE」は、オーストラリアのスペシャリティコーヒーの草分け的存在「Single O」の豆を採用したコーヒーを群馬県では初めて提供している。

全体設計を担当した藤本壮介は、「最初に改修の本館に大きな吹き抜けを提案し、そこからコンセプトが膨らみ始めた。床を解体し、時間を重ねてきた力強い既存躯体の柱梁が現れたとき、この屋内広場のような大きな吹き抜けが、街の人と世界中からやってくる人が出会う場所になり、様々なモノや活動を受け入れることができる予感を感じた。プロジェクトが進むにつれて、実際に世界中のアーティスト、デザイナー、街の人々、前橋市のまちづくりの活動が白井屋に関わっていくことになった。新館の丘のアイディアも、計画中に前橋に移設された岡本太郎の太陽の鐘がきっかけとなって生まれている。多様な人やモノ、活動を受け入れ、巻き込み、巻き込まれながら、前橋の街とともに白井屋がこれからも変化し、成長していくことを願っている」とコメントを寄せている。

「白井屋ホテル」の大きな特徴のひとつは、「アート」だ。国内外のアーティストが多数参加しており、国道50号線側のファサードには、一際目を引くローレンス・ウィナーの大胆なアート、ホテルフロントには杉本博司の海景シリーズの「ガリラヤ湖、ゴラン」、金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」で知られるレアンドロ・エルリッヒの「ライティング・パイプ」は、ヘリテージタワーのラウンジの吹き抜けに展示されている。ヘリテージタワーの客室には、英国人デザイナーのジャスパー・モリソン（Jasper Morrison）、イタリア建築界の巨匠ミケーレ・ デ・ルッキ（Michele De Lucchi）、そしてレアンドロ・エルリッヒ、藤本壮介による4つのスペシャルルームが用意されている。また、ホテルの植栽は「ソルソ（Solso）」の齊藤太一が監修した。

新旧の歴史と文化が融合し、国内外の才能が結集した「白井屋ホテル」で、食体験とアート体験を堪能してみてはいかがだろう。

■「白井屋ホテル」概要
所在地:群馬県前橋市本町2-2-15 TEL:027-231-4618
客室数:25室 ヘリテージタワー:17室 グリーンタワー:8室
延床面積:2,565.46m²
アクセス:JR前橋駅より徒歩約15分、東京から新幹線利用で約1.5時間、車で約2時間

■the RESTAURANT
場所:白井屋ホテルヘリテージタワー1階
メニュー:おまかせコース 8品 12,000円(税・サービス料 10％別)〜
ドリンクペアリング 7,000円(税サービス料 10%別) ノンアルコールペアリングもご用意。
予約番号:027-231-2020
営業時間:年中無休 17:30-23:00 (20:30 ラストオーダー)
店舗面積:75.22m²

■the LOUNGE
場所:白井屋ホテルヘリテージタワー1階
予約番号:027-231-2020
営業時間:年中無休 07:00-22:00(21:00 お食事ラストオーダー 21:30 ドリンクラストオーダー)
席数:約63席
店舗面積:118.18m²