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東宝さん、まだ決算前だが言わせてくれ おそらく最高益おめでとうだな!映画館でわかったよ【いづも巳之助の一株コラム】

NEWOct 10, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

最近、巳之助がこの夏に観た映画を思い返してみた。『国宝』『鬼滅の刃 無限城編』『ジュラシック・ワールド/復活の大地』『沈黙の艦隊 北極海大海戦』、そして『8番出口』。

おいおい、ぜんぶ東宝じゃないか。もう最高益の気配がしてきた。映画館でわかったよまだ決算発表前だけれど、今日は前祝いを言わせてもらおう。

■わかる範囲での東宝の凄さ
東宝の9月興収は187億円(前年比プラス186%)。TOHOシネマズの興行収入も72億円(プラス43%)で過去最高。夏興行の勢いを落とさず9月へつなぎ、本来の「谷間」をピークに変えた。この持続力こそ、今の東宝の構造変化を物語っている。

1〜9月累計は約1770億円。前年の通期をすでに上回り、最高益ペースに入った。映画館の空気そのものが、上方修正の予告CMを流しているようだ。

■企画はどこで生まれる?
東宝の映画づくりは脚本より前に企画が動く。本社の映画企画部が原作候補を探し、TOHOピクチャーズがチームを編成する。監督や脚本家は、テーマを提示されてから物語を組み立てる。台本を持ち込むのではなく、東宝が方向を示して書かせる仕組みだ。『国宝』もその一つ。原作は吉田修一、監督は李相日、脚本は奥寺佐渡子。企画段階で芸術と生き方という軸が決まり、制作と宣伝が同時に走り出した。作品が完成する頃には、上映と広告の戦略まで整えていたんだ。

■資金の流れ
そして東宝ピクチャーズは、制作費を自社資金でまかなう。委員会方式を残しつつも、出資の過半を自社で引き受ける。つまり銀行融資には頼らず、過去の興行収入や配当で積み上げた内部留保を使う。利益とリスクを自前で抱えるため、リターンも大きい。制作と配給の財布が同じことが、東宝の安定した強みだ。

■宣伝の進化
宣伝は公開後も止まらない。公式サイトや動画でコメントを流し、会員アプリで限定映像を配信。反応データを見て広告を差し替える。『国宝』では美術シーンの映像が話題になり、ポスターを途中で変えた。広告が動く映画。その仕組みを東宝は作った。2026年春には会員基盤TOHO ONEが始動。映画やアニメ、演劇のデータを統合し、観客の動きを可視化するんだと。

■制作の現場
撮影には監督や脚本家だけでなく、宣伝や配給の担当者も加わる。撮りながら売る体制で、制作と販売が同じ時間軸で動く。公開初週から集客を最大化できるのはこのためだ。『国宝』はその象徴だった。企画から配給までを一社で完結させる総合制作モデル。分業から一体型へ。東宝は映画を社内総力戦でつくる会社になった。

■そして決算を待つ
10月15日、東宝の第2四半期決算が発表される。営業利益は250億円前後、上期で通期の6割を稼ぎ、最高益更新はほぼ確定のペースだ。映画の勢いを考えれば、上方修正も視野に入る。

▷巳之助メーター 3ニョロ 今こそ
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
押し目は9,200〜9,400円台。

東宝はいま、映画を作る会社から、映画を運用する会社へ変わった。東宝さん、まだ決算前だが言わせてくれ。もう最高益と言っていいね、おめでとう。映画館でわかったよ。
(......この株を持っていない自分が、少し恥ずかしい)

プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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