「無印良品」が昆虫食「コオロギせんべい」を徳島大学と開発　食料問題を啓発

「無印良品」を企画・開発する良品計画は、2020年春に「コオロギせんべい」を発売する。良品計画は、昆虫食研究の第一人者の徳島大学と協業しコオロギを食材とするための取り組みを開始、徳島大学からは食用コオロギの実用化に向けた研究成果を、良品計画からは商品開発プロセスを共有し、おいしく食べられる昆虫食の開発を進めてきた。

良品計画は、世界の急激な人口増による今後の食糧確保と環境問題は避けては通れない課題と考えており、それらの課題を考えるきっかけになればという思いから今回の昆虫食の開発に至った。国連食糧農業機関（FAO）も、栄養価が高く環境への負荷も少ないという理由で、家畜の代替として昆虫食を推奨しており、なかでもコオロギは食用に適しているとして国内外で注目されている。

コオロギは栄養価が高く、生産が効率的というメリットがある。主要な栄養素、たんぱく質やカルシウム、鉄分などを体内に多く含むので、それらを効率よく摂取できる。また、飼育しやすく安定して生産でき、他の昆虫よりも成長が早く約35日で収穫できる。未利用のまま廃棄される食糧の問題にも貢献する可能性があるという。

今回発売する「コオロギせんべい」は、徳島大学の研究をベースに量産されたコオロギをパウダー状にして、せんべいに練りこんだもの。2020年春から無印良品の一部店舗とネットストアで発売する予定。