
撮影:セブツー
「ニコアンド(niko and …)」や「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」を展開するアンドエスティHD(旧アダストリア)は9月30日、2026年2月期の中間決算を発表した。売上高は1493億4500万円(前年同期比3.6%増)と上半期として過去最高を更新したものの、営業利益は79億7300万円(同19.4%減)、最終利益は59億8700万円(同13.7%減)と増収減益となった。
好調な売上に対し利益が減少した背景には、在庫消化を目的とした値引き販売による売上総利益率の低下がある。営業利益は当初計画に対しても約7億円下回った。
主力のアパレル・雑貨事業は、売上高1414億2500万円(同3.0%増)と堅調だったが、セグメント利益は77億7600万円(同26.8%減)と大幅減益。7月は「ニコアンド」と「グローバルワーク」が前年割れと苦戦したが、8月は夏休みシーズンの外出需要を受けて夏物アイテムが好調で、売上は前年を上回った。
一方、飲食事業は売上高79億5800万円(同14.6%増)、セグメント利益1300万円(前年同期は3億2800万円の赤字)と黒字転換を果たした。しかし、連結子会社ゼットンでは9月17日、元財務経理責任者による約1億7000万円の横領が2020年から複数回にわたって行われていたことが判明しており、内部統制の強化が急務となっている。
同社は2026年2月期通期で、売上高3050億円(前年比4.1%増)、営業利益190億円(同22.5%増)、最終利益124億円(同29.0%増)を見込む。下期は秋冬商戦やECの強化などにより収益性の回復を図る構えだ。