・売上高:462億6800万円(+3.7%)
・営業利益:−8億3200万円(前年−16億6500万円)
・経常利益:−7億1400万円(前年−14億3700万円)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:−10億7500万円(前年−25億4400万円)
前年に比べ営業利益、経常利益の赤字幅は半減しているが、回復のスピードは遅い。期初の第2四半期業績予想はそれぞれ470億円、4億9000万円、6億4000万円、2億9000万円だったからそれには遠く及ばない。さらに期末決算の下方修正を行っている(左側は期初及び第1四半期発表時の通期業績予想)。
・売上高:940億円→931億円
・営業利益:7億8000万円→−16億円
・経常利益:10億5000万円→−14億円
・親会社株主に帰属する四半期純利益:1億円→−22億5000万円
・期末配当(通期合計):30円→28円
この発表を受けて、10月12日(終値774円)の翌日10月13日は失望売りが出て、終値はなんと10%以上安い83円安の691円を付けた。コロナ禍による販売不振はあるが、それだけではない靴小売り業界の構造的な問題がありそうだ。
靴小売りの売上高ランキング(2021年-2022年)のベスト5を見てみると:
1位:ABCマート 2439億円
2位:チヨダ 886億円
3位:ジーフット 662億円
4位:リーガルコーポレーション 208億円
5位:ダブルエー 157億円
すでにABCマートがこの分野で完全にガリバー寡占企業になっているのが分かる。第2位のチヨダ、第3位のジーフットを苦しめているというのが日本の靴小売り業界の現状と言えるだろう。加えて「ナイキ(NIKE)」「アディダス(adidas)」「ニューバランス(New Balance)」「プーマ(PUMA)」などの海外スニーカー軍団が順調に拡大を続けており、これに日本の「アシックス(ASICS)」も加わる。前門のABCマート、後門のスニーカー軍団という構図の中で2位のチヨダ、3位のジーフットは赤字が続いているのだ。果たしてこの苦境から立ち直ることができるのか。この1年が正念場ということになるだろう。ちなみに今回業績下方修正のチヨダは2015年11月27日には4150円(終値)の史上最高値をマークしていた。実に現在の6倍の株価であった。思えばこれが最後の輝きだったのかもしれない。