5月8日、銀座中央通りのロレックス専門店「クオーク」での強盗事件発生後、銀座の高級時計店に注目が集まっている。
特に注目を集めているのが銀座・並木通りだ。並木通りはかつてファッションやハンドバックなどを扱うラグジュアリーブランドが軒を連ねていた。もちろん現在でも並木通りとみゆき通りとの交差点には「シャネル」、並木通りと交詢社通りとの交差点には「ルイ・ヴィトン」という代表的ラグジュアリーブランドが巨大店舗を構えている。しかし最近では「ウォッチストリート」と呼ばれるくらい、並木通りの中心的な存在は海外の高級時計店になっている。
晴海通りから新橋方面に向かって並木通りを歩いてみると、順に右側には「パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)」などを取り扱う専門店「アワーグラス(THE HOUR GLASS)」、「IWC(アイ・ダブリュ・シー)」、「パネライ(PANERAI)」、株式会社ホッタが手がける「ロレックス ブティック レキシア」銀座並木通り店、「チューダー(TUDOR)」、時計も手がける専門店のオサダ(OSADA)が軒を並べている。また晴海通りから新橋方面に向かって左側には「カルティエ(Cartier)」、「ロジェ・デュブイ(ROGER DUBUIS)」、「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」、「ゼニス(ZENITH)」、「オメガ(OMEGA)」、「ジャガー・ルクルト(JAEGER-LECOULTRE)」、「A.ランゲ&ゾーネ(A.LANG&SOHNE)」、「リシャール・ミル(RICHARD MILLE)」、時計も手がける専門店「オールドニューインク(OLD NEW INC.)」が軒を並べている。
このように多くの高級時計店が立ち並ぶ並木通りにおいて、やはり抜群の存在感を誇るのは「ロレックス ブティック レキシア」だ。外観だけをみても、その大きさは並木通りの時計店の中でも群を抜いている。この場所は、元々は並木通りの代名詞とも呼ばれた専門店「サンモトヤマ」があった場所だ。日本に「グッチ」「エルメス」「フェラガモ」を最初に紹介したことで知られるサンモトヤマは2019年11月10日に倒産してしまって姿を消した。この「ロレックス ブティック レキシア」銀座並木通り店は日本における五大特約店のひとつである株式会社ホッタが運営している。「ロレックス」の時計は、製造工場があるスイスから日本法人の日本ロレックスに輸出され、株式会社ホッタのような特約店へ卸され、そこから各特約店が運営する各正規店へ流れる流通形態だ。日本ロレックスには直営店はない。
そのほかにもこの並木通りの近辺には時計専門店の「エバンス(EVANCE)」が2つの店を構えているが、その主力ブランドは「ロレックス」である。
高級時計は儲かるという流れはしばらく続きそうで、「ウォッチストリート」に変貌した並木通りを筆頭に、銀座には海外の高級時計店が今後も増えていきそうだ。