フランスのラグジュアリーブランド「Hermes(エルメス)」は、10月17日に中国の公式サイトをリニューアルオープンした。リニューアル前は、スカーフとアクセサリーだけの販売だったが、ウィメンズ、メンズ、バッグ、レディトゥウェア、靴、ベビー服など13カテゴリーを取り扱う。他国の公式サイトと同じく、バーキンとケリーのネット販売は行っていない。現時点では、WeChatとAlipayでしか支払いができない。また、7日以内であれば返品が可能で、30日間の交換サービスを提供している。
昨年「Hermes」はデジタル戦略の加速に向けてテストを始め、WeChatの公式アカウントに期間限定のショップを開設。また、Appleとコラボしてスマートウォッチを製作した。「Hermes」の社長兼CEOのAxel Dumas(アクセル・デュマ)によれば、JD.comを通じて中国で製品を販売することを考えているという。もしこれが実現したら、ラグジュアリーブランドが中国の第3のECサイトに加入したくないという壁を打破することになる。「GUCCI(グッチ)」のCEOのMarco Bizzarri(マルコ・ビッザーリ)は今年10月、偽物が出回る可能性があるため、アリババとJD.comとは連携しない考えだとコメントした。このニュースは中国で大きな話題になっている。
中国は世界最大のラグジュアリー市場として、この2年間でラグジュアリーブランドが次々とオンラインショップを開設している。若い世代が徐々に消費の主力になってきているからだ。ラグジュアリーブランドが第3のECサイトに加入したくない理由は、ブランドのイメージが損なわれることや偽物が出回ることだけではない。多くの消費者は高価な製品を購入する際に、そのブランドから正式に販売されているものなのかを気にする。ECサイトでは実際に手にとって本物かどうかを確認することができないため、信頼することは難しい。そのため現在の中国では、ほとんどのラグジュアリーブランドが公式ECサイトを運営している。また、WeChatの微店(ウェイテン)を利用するユーザーも多く、とても人気である。