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CFDA受賞の米ブランド「ケイト」が日本上陸へ 八木通商と新法人ケイト・ジャパン設立

NEWNov 14, 2025.高村 学Tokyo, JP
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八木通商は11月14日、米ニューヨーク発のブランド「ケイト(KHAITE)」を運営するケイト(KHAITE LLC)と長期的な戦略パートナーシップを締結し、両社で新会社、ケイト・ジャパン株式会社を設立すると発表した。2026年秋冬シーズンから日本で本格展開を開始し、国内市場でのリテール、ホールセール事業を拡大していく。

ケイト・ジャパンは、八木通商と米国のケイトが共同出資して立ち上げる新法人で、代表取締役には八木通商の八木雄三社長と藤井勅光氏が就任する。ケイトにとって日本進出はブランドの戦略において大きな転機であり、アジア市場の中心地である日本に本格参入することで、グローバルでのリテールとホールセールの基盤強化を狙う。

ケイトのブリジット・クラインCEOは、「日本市場への進出は極めて自然な展開であり、八木通商の伝統や専門性は当社のストーリーテリングとクラフトマンシップと調和する」とコメントしている。八木通商の八木雄三社長も「最も有望なファッションブランドのひとつであるケイトのローンチを楽しみにしている」と述べ、両社が強い期待を寄せていることがうかがえる。

八木通商はこれまでも「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」を始め、「アレクサンドル ドゥ パリ(ALEXANDRE DE PARIS)」など欧州ブランドの日本市場における成長を支えてきた実績があり、ブランドの個性を生かしながら長期的に投資する姿勢が評価されている。近年では「モンクレール(MONCLER)」の事業成長を後押ししたことでも知られ、国外ブランドからの厚い信頼を背景に、新会社でも同様の役割を果たすとみられる。

ケイト・ジャパンは、八木通商の持つオペレーション力や国内小売業界への幅広いネットワークを活用し、主要百貨店・セレクトショップに加え、デジタルチャネルを通じて販路の拡大を目指す。「ケイト」のブランドポジションをアジア全体で強化する拠点としても機能させる計画だ。

「ケイト」は2016年にクリエイティブディレクターのキャサリン・ホルスタインがニューヨークで創設。卓越した素材使いと精密なクラフトマンシップ、強さと繊細さのコントラストを特徴とするウィメンズウェアを中心に展開し、国際的な評価を獲得してきた。『VOGUE』には「女性が本当に着たいと思う服」と評され、2022年と2023年にはCFDAの年間最優秀ウィメンズウェアデザイナー賞を連続受賞。ホルスタインは同賞を2年連続で受賞した唯一の女性デザイナーという快挙を成し遂げた。

現在、「ケイト」は世界200以上の販売拠点で取り扱われ、欧米を中心に急速に存在感を増している。2023年にはニューヨーク・ソーホー地区に初の旗艦店をオープンし、ブランドの世界観をより鮮明に発信し始めた。日本での本格展開は、こうした国際的な飛躍に続く「次のステップ」と位置付けられている。

今回の提携によって、「ケイト」はアジアでの市場拡大を加速させるとともに、日本のラグジュアリー市場における新たな存在としての確立を目指す。八木通商のブランド育成力と「ケイト」のクリエイションが結びつくことで、日本の高感度消費者の間でも早期に支持を集める可能性が高い。両社の協業が国内ラグジュアリー市場にどのような変化をもたらすのか、注目が集まる。

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