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八木通商がエコペルジャパン設立 リュクスでサステナブルなエコファーを日本・米国市場で独占的に販売

Sep 26, 2019.高村 学Tokyo, JP
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左から、八木通商の八木雄三社長、エコペルのクリストファー・サルファティ社長、プレシラのジェラルド・サルファティ会長、八木通商の住吉聡常務

八木通商(本社:大阪市、代表者:八木雄三)は、最高級のエコロジーファーの世界的メーカーとして知られるエコペル(本社:香港、代表者:クリストファー・サルファティ)を保有するフランスのプレシラ(本社:フランス、代表者:クリストファー・サルファティ)へ20%の出資を行い、日本および米国のエコファー市場でビジネスの拡大を目指す。また、八木通商は、プレシラと共同で2019年末までにエコペルジャパンを設立する。

プレシラは、ジェラルド・サルファティ(Gerard Sarfati)会長が1990年代にラグジュアリーブランドのアウターウェアを生産する会社としてフランスでスタートした企業で、2005年には中国の上場企業との合弁でエコロジーファー専業のエコペルを創設した。エコペルは現在、ラグジュアリーブランドをはじめ300以上のブランド・企業との取引がある。エコペルはサステナブル素材の開発にも取り組んでおり、リサイクルプラスチックから精製生産されたリサイクルファーや米国デュポンとの共同開発で植物成分由来のエコロジーファーであるKOBA®︎の開発にも成功している。

今回の提携について、八木雄三社長は「世界の消費者はエコロジー、サステナビリティに対して大きな関心を持ってる。私どもの取引先も敏感だ。特にアメリカとヨーロッパでは、サステナブルな素材を扱っていることを取引条件に提示してくるほどだ。デザイナーたちも強いメッセージを発信している。私どもは、日ごろから“product talks itself”と言っている。つまり、下手なセールストークがいらないくらいのプロダクトエクセレンスが大切だ。当社が最も大切にしていることだが、エコペルも圧倒的なプロダクトエクセレンスを持っている。今回、グローバルな戦略的提携を結んだことで、デザインに対する要望に応えるとともにサイステブルに対する要望にも応えていきたい」と語った。

八木通商の住吉聡常務は、「投資額は非公開だが、プレシラに20%の出資を行なった。これまでは単なるエージェントという立ち位置だったが、両社でジョイントベンチャーを立ち上げ、米国市場で独占的に販売・マーケティングをしていく。私どものグループが保有する中国および英国の縫製工場でエコペルのエコロジーファー素材を用いた製品の縫製も行なっていく」と、具体的な戦略について説明した。

エコペルのクリストファー・サルファティ社長は、「今回の提携は、我々にとって新しいアドベンチャーだ。エコペルは、ほとんどすべてのラグジュアリーブランドとビジネスを行なっている。八木通商も、マッキントッシュ(Mackintosh)やモンクレール(Moncler)といったラグジュアリーなブランドを取り扱っている。そこに大きな可能性を感じた」と、今回の提携に関してコメントした。

ファーフリー(動物の毛皮を使用しない)に限らず、クルエルティフリー(動物実験を行わない)やギルトフリー(罪悪感のない)など、持続可能性や社会的責任に対する消費者の意識は年々高まっている。消費者だけではなく、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)やジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)といったデザイナーたちもファーフリーを宣言している。環境に対する業界全体の意識が大きく変わり始めた転換期だが、八木通商がこの分野でもリーダーシップを発揮していくことを期待したい。

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