
化粧品大手マンダムをめぐって、アクティビスト(物言う株主)の動きが一段と激しさを増している。旧村上ファンド系の投資会社のシティインデックスイレブンスが、9月下旬以降、株式の買い増しを加速している。
9月24日に関東財務局に大量保有報告書を提出し、同社と野村絢氏らの保有比率が6.67%に達したことが明らかになったのを皮切りに、29日には11.54%へと引き上げ、さらに10月6日には16.59%まで増加したことが判明した。
マンダムは9月10日、経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)を実施すると発表している。英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズが設立したカロンホールディングスがTOB(株式公開買い付け)を通じて株式を取得し、非公開化を進める計画だ。TOBが成立すれば、マンダムは東証プライム市場から上場廃止となる見通しだ。
今回の動きを主導しているのは、シティインデックスの実質的なオーナーとされる野村絢氏だ。野村氏は、日本でアクティビストの先駆けとされる村上世彰氏の長女。村上氏は2000年代初頭、「村上ファンド」として数多くの上場企業に物言う株主として介入し、日本企業のコーポレートガバナンス改革を加速させた人物として知られる。
野村氏は近年、父親譲りの積極的な投資姿勢で存在感を高めている。2024年6月には約600億円を投じてフジ・メディア・ホールディングスの大株主となり、放送・メディア業界にも影響力を拡大。さらにここ数カ月では髙島屋へも出資し、日本企業へのアクティビストとしてのプレゼンスを強めている。