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「セフォラ」も参入する「サブスクリプションボックス」とは

Mar 1, 2019.Tokyo, JP
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公式サイトから「Stitch Box」と「BirchBox」

月額課金サービスと言えば、音楽や動画配信サービスの「ネットフリックス(Netflix)」や「アマゾンプライム(Amazon Prime)」を思い浮かべるが、今やそれだけに留まらない。月額課金サービスは、ここ数年で衣類や化粧品、酒、食品、日常品など様々な分野に広がってきている。特に注目は、「サブスクリプションボックス」と呼ばれる、毎月定額の料金を支払うと「ボックス=箱」が届くサービスだ。アメリカのデジタルマーケティングリサーチ会社のパイプキャンディ(Pipecandy)のレポートによると、2010年ごろから普及したサブスクリプションボックスのマーケットは、アメリカが世界の70.2%を占めているという。

アメリカのサブスクリプションボックスはどのように発展し、どういったブランドが人気なのだろうか。

Googleトレンドの検索「サブスクリプションボックス」から

グーグル検索によると、「サブスクリプションボックス」の検索数は2013年ごろから伸び始めている。検索数ではアメリカが最も多く、次いでイギリスが多い。サブスクリプションボックスの主なカテゴリーは、補充サービスとキュレーションサービスだ。補充サービスは、ビタミン剤やシェービングクリームといった日常品がまとまってボックスで届き、時間とお金の節約につながるものだ。そして、キュレーションサービスは、高度にパーソナライズされたボックスが送られてくるサービスだ。2018年のマッキンゼーの調査によると自分の嗜好に合わせてキュレーションされたボックスは人気ではあるが、このサービスの利用者の40%は中身に不満を感じると返品してしまう傾向があり、このサービスを成長させていくことは難しいという見方もあるようだ。一方、補充サービスは年間契約者が45%とキュレーションサービスより10%高い。

現在、サブスクリプションボックスの年間契約者数のトップにあるのは、「アマゾン・サブスクライブ&セーブ(Amazon Subscribe&Save)」、男性用グルーミングの「ダラーシェーブ・クラブ(Dollar Shave Club)」、化粧品の「イプシ(Ipsy)」、アパレル&シューズの「ジャストファブ・ファッション(JustFab Fashion)」、パーソナルスタイリングサービスの「ステッチフィックス(Stitchfix)」、ビデオゲームの「ルート・クレート(Loot Crate)」である。

キュレーションボックスの宣伝のためにインフルエンサーを起用することも定番化している。 「イプシ」の場合、インフルエンサーに製品の使用方法をレクチャーするビデオを作らせ、広告収入を生み出している。「ステッチフィックス」の場合は、ブランドを宣伝するために他ブランドの洋服も並べて、両社で利益を得ている。 「セフォラ(Sephora)」にも、「セフォラ プレイ(Sephora Play)」というオリジナルのボックスがあり、より多くの顧客を囲い込むためのツールとして提供している。結局、サブスクリプションボックスで収益を生み出そうと考えている企業は顧客からの継続的な申し込みに期待するのではなく、 「グロッシアー(Glossier)」のように複数のチャネルを介して常に顧客との関わりを維持することでより多くの成果が得られるマーケティングツールとして捉えるべきだろう。 今後もっと多くの機能を追加することで、ただ日用品が届くだけではないメリットや魅力を消費者に感じてもらえる可能性もあるだろう。 一方で、これからの企業にはサステナビリティについても積極的に考えていくことが期待されている。10ドル(1,110円*)あるいは40ドル(4,440円*)で世界の職人を支援する「グローブイン(GlobeIn)」のように、サブスクリプションボックスを利用することで社会的貢献に繋がるようなサービスに発展していくことを願っている。

*1ドル=111円換算(3月1日時点)

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