フランスの化粧品専門店「セフォラ(Sephora)」が、中国でのビジネスを拡大している。日本では1999年に初上陸したものの2001年に完全撤退したが、アジアにおける成長戦略の軸足を中国市場に移しそれが奏功しているようだ。
2005年、中国に上陸した「セフォラ」は、まず上海に初となる店舗をオープンし、翌年には北京にも進出すると、二線都市*への出店を拡げていった。同年にはECを開設し、2006年末までにリアル店舗は12店にまで拡大した。2011年には中国100号店となる店舗が広州にオープン、さらに2013年に中国最大規模の旗艦店が上海にオープンした。その後、ECを強化し、2015年にJD.COMに出店し、2016年にはTmallに旗艦店をオープンした。2017年末までに中国の74の都市に222店を構える。昨年8月、「WeChat」の微店(ウェイテン)で独自のプログラムを開始した。2018年9月には上海にアジア初のコンセプトストアをオープンした。
「セフォラ」は、世界的に有名なブランドや自社ブランドを含めて100以上のブランドを導入し、スキンケア、コスメ、フレグランス、メンズ、アクセサリーなど幅広いアイテムを展開している。
また、「セフォラ」は昨年、「My Beauty Power Turn It On」という新しいコンセプトのオムニチャネルを展開、「セフォラ」の公式アプリ、公式サイト、TmallとJD.COMの旗艦店、それに「WeChat」のプログラムなどオンラインやSNSを通じて製品を購入することができるシステムだ。
同社は、中国での戦略について「新しいコンセプトは新しいトレンドを起こす、美容小売業界にかつてない革新と破壊をもたらし、新たな視点を提供する」と述べている。
*中国では、政治経済の規模によって、主に都市を「一線都市」「二線都市」「三線都市」と分けている