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新たな成功例となるか? 図書館併設の「無印良品」が岐阜県にオープン

Nov 14, 2023.茂木美櫻Tokyo, JP
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良品計画は、店内に図書館を併設した「無印良品 ヨシヅヤ可児」を11月23日、岐阜県可児市にオープンする。

「無印良品 ヨシヅヤ可児」は、岐阜県内で8店舗目の「無印良品」であり、県内最大規模。図書館の部分を除いた売り場面積は、約2975平方メートルを誇る。イベントスペース兼コワーキングオフィスの「open MUJI」や、自身の健康状態をチェックできる「ヘルスチェックスペース」、ミーティングルームなども展開し、地域に根ざした人々の集いの場となるような店舗設計となっている。

しかし、何よりも注目すべきは、図書館が店舗に併設されることだ。「無印良品」でも初の試みとして併設される「カニミライブ図書館」は可児市立図書館の分館で、運営は可児市が行う。店舗と自由に行き来することができ、買い物の時間と共に読書を楽しむことができる。

スマートフォンの台頭による「本離れ」が指摘される昨今だが、その一方で、「無印良品 ヨシヅヤ可児」のような書店および図書館との複合業態が注目されているのも事実だ。

「蔦屋書店」が代表的な例だが、単に本を売るだけではなく、カフェやアート、カルチャーと融合する形で、読書という体験そのものを価値化するビジネスは依然盛り上がりを見せている。例えば、渋谷の「森の図書室」といった「ブックカフェ」や、新宿の「BOOK AND BED TOKYO」といった「ブックホテル」は「本離れ」しているはずの若い世代を中心に支持され続けている。

最近でも、岡山県発のブックカフェ、「うのまち珈琲店」が2021年7月に東京・渋谷の西武百貨店にオープンしたり、ライブラリーを併設した温泉旅館「湯河原惣湯 Books & Retreat」が2021年8月に、「読書するために泊まるホテル」がコンセプトの「BOOK HOTEL 神保町」が2022年10月にグランドオープンした。

本が読まれなくなっている時代だからこそ、本を読むという行為がある意味で特別なものとなり、そこに価値を見出す消費者は意外にも多いのだ。

また、「無印良品 ヨシヅヤ可児」は、併設の図書館が官営であることも特徴的だ。暮らしと密接に関わるブランドである「無印良品」ならではだが、地域に密着したコミュニティスペース化することで、オフライン店舗としての求心力を高める狙いも感じられる。「図書館併設」はそんなビジネスモデルの成功例となるか、注目だ。

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