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日経平均3万円!!このバブル相場はいつ弾けるのかを考えるポイントは何か?

Feb 15, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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日経平均株価は週明けの2月15日、ついに3万円に到達した。終値は前週末に比較して564円8銭高の3万84円15銭。30年6カ月ぶりの3万円台回復だ。しかもこのところ上昇のピッチを早めている。日経平均は1989年12月29日の終値3万8915円87銭をピークにいわゆるバブル経済が弾けて下落を続け、1990年8月を最後にして3万円台に到達することがなかったから、今回の3万円台回復は「歴史的快挙」と言えるかもしれないが、一般庶民の感覚からすれば「あっそう」ぐらいの感じではないのではないだろうか。それほど実体経済との乖離が大きい3万円台回復なのだ。

昨2020年1月の日本へのコロナ上陸以来の日経平均の動きを振り返ってみると、コロナ上陸前の日経平均は2万3000〜4000円の高値付近でのボックス相場の最中だった。しかし、感染状況の深刻化をうけて新型コロナウイルス対策の特別措置法が3月13日に成立したその3日後の3月16日には日経平均は1万6552円83銭まで急落した。約30%の下落幅だった。4月7日には東京をはじめとした7都道府県に緊急事態宣言が発出された。それから1カ月半が経過した5月25日には全国に及んでいた緊急事態宣言が解除され、日経平均は6月にはほぼ以前の水準である2万3000円台を回復した。その後はほぼ一本調子に今回の3万円台まで上昇を続けて来た。一方で世界のコロナ感染者は1億1000万人に及び、死者は250万人に上っている。現在は全世界的にその猛威は若干弱まっているが、予断は許さない状況が続いている。救いは予防ワクチンの接種が急ピッチで進んでいることだ。考えてみれば6月以降の日経平均2万3000円から3万円への30%の上昇は、ワクチンの開発は進んでいるし事態はもうこれ以上悪くならないという「希望の相場」だったとも言えるが、その実態は日銀や年金資金などの公的資金が株価買い支えで、株式市場に投入されているためであり、これに機関投資家が加わったバブル相場である。「買うから上がる。上がるから買う」という繰り返しが、6月以降8カ月続いていることになる。その構造は分かっているが、問題はそのバブルがいつ弾けるかということだろう。グリーンスパン元FRB(連邦準備制度委員会)議長の名言がある。「バブルは崩壊して初めてバブルだとわかる」。

では、私の経験則からその崩壊はいつ起こるのかを1990年の日本のバブル崩壊を例に考えてみると、日本の政局不安、日米構造協議への不安、1990年8月2日以降の湾岸戦争による原油価格高騰など、さまざまな要因が上げられているが決定的要因ではない。決定的な要因は、土地価格、株式市場の過熱感に対して日銀が行なった1989年5月以降の3回にわたる公定歩合の引き上げだ。さらに日銀は1990年に2回の引き上げを行なって、これが株式市場にトドメを刺すことになり、同時にそこから30年以上にわたる日本経済の低迷がスタートしたのである。

つまり、今回のコロナバブル相場に引導を渡すとすれば、日銀による公定歩合の引き上げがいつ決断されるかがポイントである。今の異常なゼロ金利状態によってイビツになってしまった株式市場の過熱を諫める「常識派」が日銀内にいるかどうかにかかっている。

「おまえ馬鹿言ってんじゃないよ!!」という声があるだろう。株式市場を何十兆円もかけて買い支えている張本人の日銀が金利を上げて、そのバブル相場に引導を渡すなんてそんなバカな話があるのか。完全犯罪者が犯行表明をして自殺するみたいなものではないか、アホらしい。

しかし、それ以外にいつまでもこのイビツなバブル相場を止める手段はないのだ。少なくとも今の黒田東彦・日銀総裁(1944年10月25日生まれ・76歳)の2期目の任期は2023年4月まであと2年間。今のバブル相場はあと2年は続くことになるのか?異次元の金融緩和を進める黒田バズーカが急に金利を上げるなんて自ら矛盾を犯すことがあるのだろうか。最低でも2年はこの調子が続くのなら1989年の日経平均市場最高値3万8915円の実現も夢ではなくなる。

20世紀を代表する経済学者の一人であるジョン・ケネス・ガルブレイス(John Kenneth Galbraith)は「バブルがいつ崩壊するか予測するのは誰にもできない。ただ過去のバブルは例外なく弾けている」という名言を残しているが、この日本のバブルはあと2年も続くのだろうか。それもまた考えずらいことだが。

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