海外の一部報道によると、デザイナーのラフ・シモンズ(Raf Simons)がプラダグループ(PRADA GROUP)と接近しており、「ミュウミュウ(miu miu)」のデザイナーに就任するのではないかという。周知のように、ベルギー人デザイナーのラフ・シモンズは、自身のブランドの他に数々のブランドを手掛けてきた。
大学では工業デザイン学校に入学し、写真やビデオなどを学んでおり、ファッションについての正規の教育は受けていない。いわゆるタタキあげのファッション職人ではないところが、ある意味では、彼のユニークなデザインの根源になっており、さらにファッションジャーナリストや目の肥えた消費者から支持を受けている理由のような気がする。
それはともかく、1995年にミラノの展示会においてプレゼンテーション形式で自身のブランド「ラフ シモンズ」を発表してデビュー。その後パリに発表の場を移して、長い休養を挟んで2003年のコンテンポラリー・デザイナーコンクールで優勝したのを機に、2005年7月から「ジル・サンダー(Jil Sander)」のクリエイティブ・ディレクターに就任した。その後2012年「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」のアーティスティック・ディレクター就任、2016年8月「カルバン クライン(Calvin Klein)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任。2018年に「カルバン クライン」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーを退任。
という具合に3つのビッグブランドのデザイナーに就任し、退任している。ビッグメゾンに在籍することのフラストレーションについて最近話したという。どうも人間嫌いの一面があるようだ。
これだけ、メゾンを辞めているのだから、もう自分の名前によるブランドしかやれないと思うのだが、ここに来て就任が噂されている「ミュウミュウ」を擁するプラダグループのミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とは、この気難しい男が長年親交があるというから、驚きである。ミウッチャのファッションショーにも幾度か足を運んでいるというのだ。
ラフがイタリアでの住居を探しているという噂もあって、「ミュウミュウ」就任の実現性はかなり高そうだというのだけれども、どうなのだろう。ひとつだけ言えるのは、「ミュウミュウ」のみならず「プラダ(PRADA)」の方も最近3年ばかりのコレクションのクリエイティヴィティは著しく低下しており、ミウッチャ(1949年5月10日生まれで70歳)はそろそろ「引退」を考えるべき時が来ているということ。その後継がラフなのかどうかは分からないが。